(一社)不動産証券化協会(ARES)は30日、帝国ホテル(東京都千代田区)で2023年度定時社員総会を開催。22年度の事業報告と決算の承認が行なわれたほか、23年度の事業計画と予算の報告も実施された。また理事会で役員の選任も行なわれ、新会長に菰田正信氏(三井不動産(株)代表取締役会長)を選任。前任の杉山博孝氏(三菱地所(株)取締役)は相談役に就任した。また、新専務理事として伊倉健之(いくら・たてゆき)氏が専任された。
23年度の事業計画では、重点項目として、不動産取得税における土地の課税標準の軽減措置の延長をはじめとする各種税制改正要望の実現、ESG投資経営に基づく信認の向上に向けた活動の底上げ、NISA制度拡充への対応、機関投資家に向けた不動産投資に関する情報発信と働き掛けを掲げた。
総会終了後に開催された懇親会で挨拶に立った菰田氏は、「コロナとの共生が進み、経済も正常化してきているが、国内外にはさまざまなリスクがあり、先行きは依然不透明。このような状況の中での会長就任に、身が引き締まる思い」と述べた上で、「今後はコロナがもたらした価値観や社会構造の不可逆的な変化を的確に捉え、協会として不動産投資市場発展、日本経済の発展に貢献していきたい」と挨拶した。
菰田新会長から花束を贈られた木村氏は、「大変厳しい環境にありますが、長年三井不動産のトップとして、そして財界のリーダーとして豊富な経験を持つ菰田さんにバトンを渡すということになり、心強い。菰田新会長のリーダーシップによりまして、急速な環境変化の波を乗り切り、当協会がさらなる成長、発展を遂げることを心から祈念する」と語った。