不動産ニュース / 不動産金融・証券化

2023/5/30

「若年層へのJREIT普及を」ARES菰田氏

会見で「ESG投資やSDGsに関して業界のレベルアップを図る」等と述べた菰田新会長

 (一社)不動産証券化協会は30日、帝国ホテル東京(東京都千代田区)で、同日付で会長に就任した菰田正信氏(三井不動産(株)代表取締役会長)の就任会見を開催した。

 同氏は足元の市場動向について、「オフィスは働き方改革の影響で一時価格が落ち込んだものの、現在はオフィス回帰の流れが加速しており、価格の持ち直しが見込まれる。レジデンスは稼働率・家賃水準ともに安定的に推移してきた。商業施設はコロナ禍初期に売上が大幅に減少したが、足元ではコロナ前の水準に戻りつつあり、価格にも織り込まれてきている。最もコロナ禍で打撃を受けたホテルは、今年3・4月から本格的に急回復し、価格にも反映されつつある。物流施設はEコマースの普及で高値で推移してきたが、他のセグメントとのバランスも含めて若干の調整が入っている」等と俯瞰した。

 2022年3月に策定した理念体系(MISSION、VISION、VALUES)とその実行戦略(工程表)の進捗については、「J-REIT総資産の環境不動産の占める割合は、策定時点の62.6%から22年度は66.9%まで上昇している。ARES認定マスターの女性比率は11.5%から22年度は12.1%に増え、いずれも着実に進捗している」(同氏)とした。

 新体制の重点施策は3つ。一点目がESG投資・SDGsへの対応。「企業にESGへの対応を求める声が高まっているほか、サステナビリティ開示基準の策定に向けた動きもある中で、業界全体のさらなるレベルアップを図る」(同氏)。
 二点目がNISA制度の拡充への対応。「24年から開始する新制度により、個人金融資産の貯蓄から投資への流れが加速するだろう。これを投資家層拡大の好機を捉え、個人投資家、特に若年層や現役層へのJREITのさらなる浸透を目指し、普及活動に力を入れる」(同氏)。
 三点目がコンプライアンスの徹底。「昨年、会員企業において、08年より14年ぶりの金融庁による処分事案が発生した。発足から20年が経過した今、経験の長いプレイヤーは若干の気の緩みが発生している。各種研修制度やマスター資格制度を通じて、今一度、法令順守意識の徹底を図りたい」(同氏)。

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