不動産ニュース / 開発・分譲

2023/9/27

虎ノ門にオフィスの付加価値を研究・開発する拠点

「NAKANIWA」内観。「キヅキ ウッドチップ」エリアには床にウッドチップを敷き詰めているほか、水景、保有林で録音した自然音等を導入。利用者のアイディアを誘発する
「NAKANIWA」内観。植栽に囲まれており、ソロワークに最適

 中央日本土地建物(株)は26日、同社が所有するオフィスビル「虎ノ門セントラルビル」(東京都港区)の一部フロアを改装し、ワークプレイスに関するR&D拠点「NAKANIWA(ナカニワ)」およびセットアップオフィスを、10月2日に開設すると発表。開業に先立ち、メディアに内部を公開した。

 同社グループはシェアオフィス「SENQ(センク)」、中規模オフィス「REVZO(レブゾ)」等に加え、「虎ノ門一丁目東地区」や「内幸町一丁目街区南地区」等の再開発事業にも取り組んでいる。そうした中で今回、オフィスの新たな付加価値の創造を目的に、虎ノ門エリアにおいて、オフィスの付加価値を検証・開発する拠点を開設することにした。

 東京メトロ銀座線「虎ノ門」駅より徒歩1分、都営三田線「内幸町」駅より徒歩4分、東京メトロ千代田線他「霞ヶ関」駅より徒歩4分に位置。9階のR&D拠点「NAKANIWA」は、同社社員専用のオフィス空間とし、利用者の満足度や交流の度合い、サステナビリティへの貢献等についてアンケートを中心に集計・測定し、そのデータを基にワーカーのパフォーマンスを最大化する空間・機能・サービスの開発、実装を目指す。

 空間設計にはバイオフィリックデザインを採用。少人数の打ち合わせからイベントまで対応する「ニギワイ エンガワ」、バランスボール等を導入した「シタシミ エンガワ」、植栽に囲まれ集中作業に最適な「オチツキ コアガリ」、ウッドチップや水景等で五感を刺激する「キヅキ ウッドチップ」と、機能の異なる4つのエリアを設けた。ウッドチップや天井部のルーバーには同社グループが保有する山梨県山中湖村の間伐材を採用し、社員の環境意識の醸成も図る。そのほか、社員の健康に寄与する健康食の提供、朝ヨガなどの健康増進プログラム、各種研修・セミナー等も行なっていく考え。

 併せて8階にはセットアップオフィス(全2区画)を開設。フロアの約半分は共用ラウンジとする。専有部・共用部ともに、同社が開発した、ワーカー同士の交流を促進する17のエレメント(空間・ツール)を導入。共用部のエントランスにブックシェルフを設けたり、専有部に畳の小上がり空間を設けたりと、さまざまなアイディア・設えでコミュニケーションを誘発していく。10月2日にリーシングを開始する予定で、賃料は非公開。入居後、テナントの意見を踏まえながら、各エレメントの効果測定とブラッシュアップを図っていく。

 両施設の検証結果等は、今後の再開発物件や、既存物件のテナントへの提案、CRE戦略におけるソリューションメニュー等へと反映していく。また、保有林を活用した空間設計、資源循環の取り組み等についても、今後のオフィスビル開発における木造化・木質化、環境意識の醸成に向けたコンテンツの提供といった、サステナビリティの取り組みの深度化に役立てる考え。

セットアップオフィスの専有部はいずれも30坪ほど。大手企業のプロジェクトルーム利用等も見込む
セットアップオフィスの共用スペースには階段状のベンチスペースを設置。これも17のエレメントのうちの一つ

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