ミサワホーム(株)と富士通(株)は27日、6月よりミサワホームのモデル住宅で実施していた「常時認証技術を活用した暮らしのパーソナライズ化等の実証実験」の中間報告を行なった。
富士通は、1980年代から生体認証を研究。そして生体認証による高精度な認証結果を起点に、カメラで人物を特定しながら追跡し本人認証を維持する常時認証技術も持つ。この技術をミサワパーク東京(東京都杉並区)にあるコンセプト住宅「グリーン・インフラストラクチャー・モデル」内に導入し、常時認証技術の実証、動作検知との連携等による快適性パーソナライズ化された空間の検証、生体認証せずに入ってきた来場者や点灯した来場者などの異常を検知することによるセキュアな空間の検証を行なっている。
「グリーン・インフラストラクチャー・モデル」は、シェアオフィスとして貸し出すパブリックな空間と居住空間の併用住宅で、今回の検証は1階のシェアオフィス部分で実施しており、実験期間は2024年1月末まで。
ユーザーは入館時に顔認証の登録と、併せて名前、職種、好きな音楽、好きな料理等を登録し、シェアオフィスに入室する。見えづらい形で設置されたカメラ画像を解析することで、ユーザーを常時認証するとともに、ユーザーの動きを常時トラッキングする。機器連携により、イベント掲示板のところに近付くと好きな料理ジャンルのお店が表示されたり、休憩スペースに行くと好みの音楽が流れたりと、パーソナライズ化された空間を創出する。
中間報告では、6月の実験開始からこれまで、60人以上の利用者があり、個人特定制度については、体験者の約9割で成功。ただ、ユニフォームなど、服装が類似した人に関しては若干特定精度が低下するケースもあったという。歩く、座る、お辞儀をするなどの行動についてもトラッキングできており、この技術を活用することで、家庭内事故の発覚や、子供の見守りなどにも活用できるとしている。
両社は引き続き、常時認証技術を活用することでのパーソナライズ化された空間、セキュアな空間の検証を進めていく計画。