不動産ニュース / 政策・制度

2023/10/26

緑地の評価制度などまちづくりGXについて議論

 国土交通省は26日、社会資本整備審議会都市計画・歴史的風土分科会都市計画部会の都市計画基本問題小委員会の会合をウェブ併用形式で開いた。今回で25回目。

 今回は、4月14日に公表した同小委員会の中間とりまとめを基に、具体化に向けた検討を進めている「まちづくりGX」について議論を行なった。同中間とりまとめでは、気候変動への対応や生物多様性の確保といった地球規模の課題解決や、人々のウェルビーイングの向上を図るため、都市の緑地確保や都市におけるエネルギーの有効活用などに取り組むことが重要だとしており、官民が共通して目指すべき姿を行政として示すことや、民間資金の導入を図るため事業者の自発的な取組みを客観的に評価できる仕組みの導入、インセンティブについても検討すべきだとしている。

 その上で、現在の検討状況について国土交通省が説明。国内外の動きや自治体の財源・人材不足といった背景も踏まえ、(1)緑地に関する社会的意義の高揚、(2)民間事業の評価制度創設、(3)保全すべき緑地の買い入れや市区町村への技術支援を行なう国指定法人の創設などについて説明した。

 (1)については、国による基本方針の策定や都市計画を定める基準における「自然的環境(緑地)」の整備・保全の位置付けを高め、都市計画段階から不可欠な要素として扱うことなどを示した。また(2)では、民間投資の促進に向けた評価制度を構築するため、制度の具体化に向けた検討を進めていること等を説明。前日25日には有識者会議が立ち上がり、評価基準や評価体制等について検討が始まったことも報告した。(3)については、地方公共団体等による緑地の整備・保全が推進されるよう、国が「都市緑地支援法人」を指定。民間からの寄付等で運営し、特別緑地保全地区等に所在する民間保有の緑地を買い入れ、一時的に保有・整備した上で地方公共団体に譲渡するというスキームを示した。

 これらに対して出席した委員からは、「評価制度構築については、定期的な見直しによって評価が変動するような制度にすべきではないか」「緑地の量だけでなく『質』をどう確保するのか、議論が必要だ」「緑地の保全には民間の投資が不可欠だが、国内だけでなく外資からの投資をどう呼び込むかという視点も重要」「平面で考える『緑被率』と立面で考える『緑視率』の二つの考え方を融合させることも重要では」などといった声が挙がった。

 次回の同小委員会は2024年1~2月に開く予定。

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