三菱地所(株)は11日、空飛ぶクルマの社会実装に向けた都心でのヘリコプター運行実証の様子を、マスコミに公開した。
新たなモビリティとして注目されている“空飛ぶクルマ”の社会実装を目指すことを目的とした東京都の「都内における空飛ぶクルマを活用したサービスの社会実装を目指すプロジェクト」に採択されたもので、三菱地所と日本航空、兼松(株)のコンソーシアムが2022年より3ヵ年事業として取り組んでいる。2月10日より5日にわたり、ヘリコプターの運行による実証実験を行なう。
今回、新丸ビル緊急離着陸場について一時的な利用許可を得ての実証を行なう。ゆりかもめ青海駅南側特設会場(東京都江東区、以下「青海駅南側」)と新丸ビル屋上の往路・復路、東京ヘリポート(東京都江東区)と新丸ビル屋上の往路復路、そして、青海駅南側上空の遊覧の5つのルートを用意し、1人1万7,600円で乗客を一般募集。就航により、事業性の検証やオペレーションの確認、近隣ビルでの風況測定や、新丸ビル・近隣ビルでの騒音把握などを実施する。
取材日は、青海駅南側を飛び立ったヘリコプターが新丸ビル屋上に着陸し、再び青海駅南側へ飛び立つ様子が公開された。
登場した中央区在住の千葉陽一氏は、「1万7,600円という料金はちょっと高いかな?という印象なので、もっと気軽に利用できる料金設定だとありがたい。移動の選択肢が増えれば満員電車や渋滞の解消につながるのではないかという期待をもっている」と語った。
三菱地所では、ゆくゆく実現するであろう空飛ぶモビリティの事業について、大丸有エリアから各地への移動や、運営を担っている地方空港や自社運営ホテルを結ぶルートでの事業展開を計画していく考え。コマーシャル不動産戦略企画部ユニットリーダーの谷沢直紀氏は、「26年度にeVTOL(electric Vertical Take-off and Landing aircraft=電動垂直離発着陸機)用の離着陸場についての基準が定められる計画となっている。空飛ぶクルマの実用化・商用化が可能になれば、ビジネス展開に寄与できる機能として、弊社でも積極的に提供していきたい。建物の造り方、不動産のあり方が変わってくるだろう」とコメントした。