不動産ニュース / 調査・統計データ

2024/4/2

首都圏マンション価格、中央値と平均値の差が急拡大

 (株)不動産経済研究所は2日、首都圏1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)における、新築分譲マンションの戸当たり価格および専有面積の中央値を集計し、平均値と比較した結果を発表した。 2016年11月、19年8月、23年6月に続く4回目の調査。

 マンションの価格推移を年間ベース(1~12月)で見ると、住戸価格は13年以降ほぼ一貫して上昇基調であり、前年比で下落したのは、16年の平均値(5,490万円)と18年の平均値(5,871万円)、20年の中央値(5,268万円)のみ。施工費や用地費の上昇、都心エリアの高級マンションやタワーマンションの供給、駅近など立地を厳選する傾向が強まったことが要因。平均値に比べ中央値は上昇がより緩やかで、19~21年はほぼ横ばいで推移している。

 20年には平均値が6,083万円と6,000万円台に到達。中央値(5,268万円)との差は815万円に拡大。21年にはその差が980万円にまで拡大した。そして23年は、都心の超高額住戸の供給が一段と加速。平均値が8,101万円と8,000万円台に乗り、中央値は6,098万円にとどまったことから、その差は2,003万円にまで拡大した。

 東京23区では、23年は東京都心の超高額住戸の積極供給によって、東京23区の平均値は1億1,483万円(22年:8,236万円)と初めて1億円を突破。一方、中央値は8,200万円(同:6,898万円)と同様に大幅アップとなったが上昇幅は平均値と比べ小さく、その差は3,283万円(同:1,338万円)にまで拡大している。同社は「今後も都心やその周辺エリアでは高額物件や大規模タワーの供給が数多く見込まれることから、価格は高値傾向が続き、平均値と中央値の差も2,000万円から3,000万円程度となる可能性が高い」と分析している。

 また、専有面積の平均値と中央値の推移を見ると、14年には平均値が71.16平方メートルと、中央値の71.11平方メートルより0.05平方メートル広くなったものの、15年~20年までは平均値の圧縮傾向が中央値以上に顕著だったため、20年はその差は4.13平方メートルまで拡大した。しかし、21年には平均値が66.86平方メートルと拡大すると、中央値との差は2.58平方メートルに縮小。22年が平均値が66.12平方メートル、中央値が68.82平方メートルとその差は2.70平方メートルに拡大したものの、23年には平均値が66.10平方メートル、中央値が68.42平方メートルとその差は2.32平方メートルと再び縮小している。

 同社は「今後も専有面積は平均値、中央値ともにグロス価格の抑制で縮小傾向は変わらないものの、100平方メートル以上の超高級・高額住戸の供給が都心部などで目立っていることから、平均値と中央値の差は再び縮小する可能性がある」としている。

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