不動産ニュース / 調査・統計データ

2024/5/8

23区の大規模オフィス供給、24年以降は抑制傾向

 森トラスト(株)は8日、「東京23区の大規模オフィスビル供給量調査’24」の結果を公表した。

 延床面積1万平方メートル以上の新築大規模オフィスビルについて、2023年の供給量は138万平方メートルと、過去5年間では20年の185万平方メートルに次ぐ大量供給となった。今後5年間については、25年は118万平方メートル、26年は103万平方メートルの供給が見込まれるが、24年は65万平方メートル、27年は60万平方メートル、28年は78万平方メートルと低水準で推移。今後5年間の平均供給量は85万平方メートルで、過去20年間の平均供給量107万平方メートルを下回る見込みとなる。今後5年間の平均供給量が過去20年間の平均供給量を下回るこうした傾向は7期連続で、24年以降は抑制傾向が続く一方で需要が堅調なことから、将来的に需給は引き締まるとした。

 エリア別の供給傾向について、過去5年間と今後5年間の供給割合を区ごとに集計したところ、両期間とも都心3区(千代田、中央、港)が7割程度を占めた。両期間を比較すると、千代田区の割合が減少し、中央区と港区の割合が増加する見込み。その他の区では、品川区の割合が増加するとしている。地区別では、過去5年間で1位だった「虎ノ門・新橋」における供給が落ち着き、今後5年間では「八重洲・日本橋・京橋」が最多となる。また、過去5年間で圏外だった「白金・高輪」が今後5年間では2位に、「赤坂・六本木」が3位にそれぞれ上昇しており、24年以降はこれらの地区を含む港区エリアの開発が活発になると見込んだ。

 14年以降の開発用地別の供給割合を5年単位で集計し、開発用地別の供給動向を見ると、都心3区は14~18年には77%だった「建て替え」が19~23年は41%にまで減少し、開発用地の主体が「低・未利用地(再開発等)」へシフト。その他の区では14年以降変わらず「低・未利用地(再開発等)」が開発主体で、供給は都心3区内外で「低・未利用地(再開発等)」が中心となっている。

 また、延床面積5,000~1万平方メートル未満の中規模オフィスビルについて、23年の供給量は6万6,000平方メートルと、まとまった供給のあった22年の12万1,000平方メートルから減少。24年は12万4,000平方メートルと再び増加するものの、25年は6万7,000平方メートルと小規模な供給にとどまる。今後2年間の平均供給量は9万6,000平方メートルと、過去10年間の平均供給量にほぼ等しく、供給量は安定的に推移することが予想される。また、20年以降の区別の供給量を2年単位で集計し、上位を見ると、23年までは港区が1位だったが、24年以降は中央区が最大の供給地となることを見込む。

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