(株)世界貿易センタービルディングは22日に記者発表会を開催。現在推進している「世界貿易センタービルディング」(東京都港区)の建て替えプロジェクトの詳細を説明、上層階にラグジュアリーホテル「ラッフルズ東京」が開業すると発表した。「ラッフルズ」は日本初進出となる。
1970年に建設された世界貿易ビルディングは2021年6月に閉館。21年に南館(地上38階地下3階建て)が先行開業しており、現在本館、および本館と南館の間のターミナルの開発が進められている。全体の敷地面積は1万6,000平方メートル。現在開発中の本館は地上46階地下3階建て、ターミナルは地上8階地下3階建て。
本館の36~46階には、欧州最大手のホテルグループであるアコーホテルズの最高級ラグジュアリーホテルブランド「ラッフルズ」を冠した「ラッフルズ東京」(客室数130室)が開業する。全室60平方メートル以上の客室を用意するほか、3つのレストラン、「ラッフルズ」を象徴する「ロングバー」「ライターズバー」の2つのバー、屋内プール、スパなどの付帯施設を設ける。東京建物(株)と世界貿易センタービルディングの両社での開発・運営。
9~34階は1フロア約850坪、整形無柱のオフィスを整備。窓からは東京湾、東京タワー、旧芝離宮恩賜公園などの景色を望むことができる。複数フロアに入居する場合には内階段の設置も可能な仕様とする。
5階には、多言語に対応したメディカルセンターを開設。検診を中心に内科、歯科などにも対応する。2階には同じく多言語対応のキッズセンターとデジタル体験・リアル体験ができる観光プレ体験施設を設ける。さらに1階には乗降車・待機車計29台のタクシープールを整備する。
南館と本館の間に開設するターミナルは、3~5階を(株)アトレが運営する商業施設とし、6階は国際会議にも対応可能なカンファレンス施設を整備する。
1階は19台の収容が可能なバスターミナル、2階は交通サービスコートとする。7階は屋上庭園とし、中央部にはかつて存在した大名屋敷・庭園の池泉形状をオマージュした大芝生広場を創出。オフィスワーカー、近隣の人の憩いの場とするほか、イベント・祭事を開催できるようにする。またMICE開催時には屋外レセプション会場としても利用してもらう計画。
さらに「ステーションコア」と名付けた吹き抜け空間を整備。鉄道、バス、タクシーといった交通機関のアクセス性を向上させるとともに、歩行者の憩いの空間も創出する。
世界貿易センタービルディング取締役開発企画部長の大志万 延也氏は、「世界の激しい都市間競争の中で、これまで以上に多様な方々が交わって交流し、刺激的でにぎわいのある空間を新たなビルで創出していく」と述べた。
本館、ターミナルについては27年3月の共用開始を計画しており、街区全体の共用開始は29年度の予定。