(一社)プレハブ建築協会は29日、「住生活向上推進プラン2025」(2021~25年度)の23年度実績を報告した。
同プランは、21年に新たな住生活基本計画やカーボンニュートラルへの対応を考慮して同協会の住宅部会が策定したもの。
住宅性能表示制度の取得率は、戸建ての25年度目標が設計・建設性能評価共に85%に対して、23年度実績は設計が87.5%、建設が82.4%となった。一方、共同住宅は目標10%に対して、設計が7.5%、建設が5.5%だった。築6~10年の戸建てオーナーの満足度は、目標75%に対して72.0%。長期優良住宅認定(戸建て)の取得率は、目標85%に対して85.6%と、目標の数値を超えた。
また、カーボンニュートラル行動計画に関する項目の実績についても発表。調査対象は、住宅部会20社のうち環境分科会参加の7社。新築戸建住宅のZEH供給率は、25年度目標85%以上に対して85.3%(前年度比6.0ポイント増)と2年前倒しで目標を達成。うち注文住宅は83.8%(同4.9ポイント増)、分譲住宅は94.0%(同11.6ポイント増)と、分譲住宅でのZEH採用が9割を超えた。
省エネ基準の基準建物に対して、同協会会員が供給した戸建住宅の一次エネルギー消費量の削減率は、目標100%以上に対し84.8%(同2.9ポイント増)となった。ボリュームゾーンの6~7地域では90%を超え、4~5地域では60%を超えたものの、1~2地域では30%台以下にとどまった。断熱性能は、等級5(強化外皮基準)相当以上の断熱性能を満たす住宅は92.0%(前年比5.8ポイント増)。高効率給湯機の設置率は91.9%(同1.4ポイント減)となり、うち燃料電池は15.3%だった。太陽光発電の設置率は88.4%(同5.7ポイント増)と、2年連続で8割を超えて過去最高となった。
新築低層集合住宅の住棟ベースのZEH-M供給率は、同25%以上に対し25.9%(前年度比10.0ポイント増)。ZEH-Mのうち、Nearly ZEH-Mが8割超を占める。省エネ基準の基準建物に対して、同協会会員が供給した低層集合住宅の一次エネルギー消費量の削減率は、目標50%以上に対して53.6%(同9.4ポイント増)となった。断熱性能は、すべての物件で等級4を満たし、等級5(強化外皮基準)相当以上は67.3%(前年比10.3ポイント増)。高効率給湯機の設置率が84.7%(同0.9ポイント増)となった。太陽光発電の設置率が46.8%(同14.9ポイント増)だった。
既存ストックについては、断熱・省エネリフォームによる一次エネルギー消費量削減貢献量は、20年度比30%以上増と目標に掲げていたところ、目標を大きく上回る40.2%増を達成した。一次エネルギー消費量削減貢献量とは、断熱改修の6アイテム(戸建丸ごと断熱改修、窓断熱改修等)、省エネ改修の10アイテム(エコキュート、LED照明器具等)で、従前の住宅からどのくらい一次エネルギーを削減できるかをモデル住宅で示し、各工事件数と掛け合わせたもの。数値が増えるほど省エネ改修が進んでいることを示す指標となっている。
また、削減貢献量を、築20年程度の住宅をZEH Oriented化(一次エネルギー消費量の削減率が断熱+省エネで20%以上)した改修の相当数に計算すると、1万9,669戸分になることが分かった。