旭化成ホームズ(株)は5日、2024年度上期(25年3月期第2四半期)の決算説明会を開き、代表取締役社長の川畑文俊氏らが上期の振り返りと下期に向けた方針について説明した。
当期は売上高4,842億円(前年同期比9.9%増)、営業利益419億円(同28.1%増)と、上期としては過去最高の業績となった。
セグメント別では、主力の建築請負部門において売上高1,940億円(同0.8%減)、営業利益152億円(同2.1%増)。2期連続で減収となったものの、高付加価値化や大型化による単価アップが奏功し、引き渡し戸数は減少したが営業利益は確保した。当期の引き渡し戸数は4,663戸(同17.8%減)。内訳は戸建て2,275戸(同18.1%減)、集合2,368戸(同17.8%減)、分譲20戸(同25.0%増)。受注高は2,066億円(同10.8%増)、受注戸数5,129戸(同2.3%減)。
旭化成不動産レジデンス(株)を中心とした不動産部門は売上高1,144億円(同31.4%増)、営業利益150億円(同72.2%増)。仲介・賃貸事業では、賃貸管理戸数が12万4,000戸を超え、空室率2%台前半を維持するなど堅調に推移している。また、開発事業においては大型物件の竣工・引き渡しが上期に集中したことから大幅な増収増益を記録した。
このほか、リフォーム部門や海外事業部門でも順調に推移した。
通期業績については売上高1兆円、営業利益870億円を見込む。売上高に関しては25年度の目標を1年前倒しで達成する計画だ。受注については受注高4,136億円、受注戸数1万270億円を予想する。
川畑氏は今後の強化方針の1つとして、不動産事業の強化を掲げた。リフォーム部門と請負部門等と、不動産部門の情報連携をスムーズにするシステム環境整備など同社のOB顧客ケアの環境を整えた。マンション事業における建て替え・等価交換・法定再開発以外の用地仕入れや、小規模な戸建て分譲用地仕入れ、OB顧客の資産売却需要への対応などについても強化していく。「当社はこれまで土地を仕入れないビジネスを展開してきたが、これからは土地の取得にも視野を広げる。適切なリスクコントロールを図ることで、より事業拡大を図っていきたい。不動産部門への積極的な人員投入に加え、当社と相性の良い会社があればM&Aも考えている」(川畑氏)。
また同社は10月29日付で不動産開発事業の拡大に向けた新会社・旭化成ホームズ・アセットマネジメント(株)(代表取締役社長:秦 直樹氏)を設立。私募ファンドの組成・運用を手掛け、主に旭化成不動産レジデンスが開発する分譲マンションや賃貸マンション、オフィスビル、商業施設などを投資対象とする。私募ファンドへの売却を分譲・保有に続く、開発物件の出口の「第3の柱」として内製化するのが目的。資産規模はおおむね40億~45億円程度を見込む。