不動産ニュース / 調査・統計データ

2024/11/25

ビル事業、短期的には楽観派、長期的には悲観派が多くを占める

 (株)ザイマックス不動産総合研究所は25日、「ビルオーナーの実態調査2024(複数棟・大規模ビルオーナー編)を発表した。

 15年より早稲田大学建築学科の石田航星研究室と共同で、中小規模ビルを保有するビルオーナーに対し実施している調査。24年度は、東京都および全国政令指定都市の、売り上げ30億円以上・賃貸事務所業を「主」または「従」とする企業1,985社が対象。98件の回答を得た。

 直近1年間の賃貸ビル事業の収入についての質問では、「増加した」が37%、「変わらない」が48%、「減少した」が14%であった。一方、支出については「増加した」が66%、「変わらない」が32%、「増加した」が2%。
 ビルの管理委託先からの動向では、「値上げ要請があった」(57%)が過半数を占め、次いで「ロボットやDXの導入要望があった」(11%)、「業務内容の変更提案(仕様発注から性能発注など)があった」(9%)、「作業時間の見直し要望があった」(9%)と続いた。

 修繕や基本的支出の動向について聞いたところ、「価格の高騰」を「感じる」(「非常に感じる」「感じる」の合計)との回答は93%に達した。「納期の遅れ」(70%)、「工期の延び」(61%)も6割を超えた。

 今後のオフィスビル事業の見通しについては、短期的見通しについては、「楽観している(楽観している+やや楽観している)」(32%)が「悲観している(悲観している+やや悲観している)」(17%)を上回ったが、中長期見通しでは、「楽観している」(11%)が「悲観している」(33%)を下回った。その要因として同社は、オフィスビルの築古化に伴う修繕やリノベーションの実施、働き方や周辺地域の変化への対応、水道光熱費や修繕費の高騰といった支出を増加させる要素が多い一方で、賃料上昇への期待が薄いことが挙げられる、と分析している。またヒアリングでは先が見通せず、築古化したビルの建て替えが難しいといった声が多く聞かれた。

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