
三菱地所レジデンス(株)は、「リノレジ」のブランド名で展開している既存マンションのリノベーションでの「ZEH水準」「省エネ基準」対応を進める。光熱費の削減、快適性の向上、税制優遇への対応などのメリットで顧客にアピール。グループ各事業におけるCO2排出量削減の加速にも寄与していく。
ZEH水準・省エネ基準対応に当たっては、既存マンションの取得時に設計図面等で竣工時の断熱性能等を確認し、エネルギー計算等を実施。改修のための積み増しコストが許容できる物件であれば、積極的にZEH水準・省エネ基準対応を行なっている。基準クリアにあたっては、高効率給湯器、保温浴槽、キッチンの節水水栓、LED照明、物件によっては内窓追加などを採用。建築費高騰もあり、スケルトン化による大掛かりな断熱改修ではなく、対応コストが比較的安価に抑えられる水回りの設備機器で対応している。
改修のメリットを顧客にアピールするため、商談中やホームページ等で「省エネルギー性能報告書」を公開。ZEH水準・省エネ基準を達成していない物件と比較し、住宅ローンの借入額・控除額がどう変わってくるか等のメリットの見える化を実施。BELS評価の取得や省エネ性能ラベルの表示などで、省エネ性能の見える化にも努めていく。検討者からは、ローン減税や光熱費削減等の具体的メリットが享受できる点が評価されているという。
2024年4~12月に改修着工したリノベーションマンション133件のうち、6割強がZEH水準・省エネ基準の断熱性・省エネ性をクリアしており、24年度通じても50%を超える見込み。23年度の15%から大幅に伸ばした。CO2削減量の拡大はグループ全体の課題であるため、新築マンション事業部隊とも連携を取りながら、より効果的な省エネ改修のノウハウを蓄積。ZEH水準・省エネ水準対応住戸のさらなるシェアアップを図る。
