(株)東京カンテイは7日、新築・既存マンションおよび新築戸建て価格の世帯年収倍率を算出して公表した。 同社データベースに登録されている新築マンション販売価格、築10年既存マンション流通価格、新築戸建ての販売価格を70平方メートル当たりに換算し、それを世帯年収で除して「世帯年収倍率」を算出。資金計画などを勘案して世帯年収倍率7倍を標準として買いやすさ・買いにくさを分析した。
世帯年収を800万円と想定した場合、首都圏の新築マンションは平均価格8,759万円・世帯年収倍率10.9倍、既存マンションは8,291万円・10.4倍、新築戸建ては4,831万円・6.0倍。マンションを購入する場合は新築・既存共に10倍を超えており、世帯年収7倍以下で購入するには高年収が必要なことが分かった。
地域別では、東京都は新築マンション1億1,150万円・13.9倍、神奈川県7,183万円・9.0倍、埼玉県6,128万円・7.7倍、千葉県5,716万円・7.1倍となった。既存マンションは東京都1億1,019万円・13.8倍、神奈川県5,459万円・6.8倍、埼玉県4,458万円・5.6倍、千葉県4,460万円・5.6倍。同社では、「近年のマンション価格高騰により、東京都では世帯年収が1,500万円でも、資金計画の目安と考えられる世帯年収倍率7倍を超え、ますます買いにくくなっている状況が見られる」と分析する。
一方、新築戸建てを見ると、東京都6,167万円・7.7倍、神奈川県4,824万円・6.0倍、埼玉県3,951万円・4.9倍、千葉県3,862万円・4.8倍と、マンションに比べて購入しやすい水準になっている。
首都圏の行政区別に見ると、新築マンションの70平方メートル換算価格が最も高かった東京都港区で2億8,822万円、世帯年収が800万円の場合の世帯年収倍率は36.0倍となった。最も低かったのは埼玉県ふじみ野市の4,064万円・5.1倍だった。既存マンションは同様に東京都港区がトップで、2億3,610万円・29.5倍、最低値は東京都府中市で3,108万円・3.9倍。新築戸建ては東京都文京区が平均1億2,776万円・16.0倍で最高値となり、最も低かったのは千葉市緑区の平均3,468万円・4.3倍だった。
新築・既存マンション共に一定数の販売・流通戸数がある138駅の中で、新築・既存共に世帯年収800万円での年収倍率が7倍を下回ったのは、20駅でシェアは14.5%。新築マンションのみ7倍を下回ったのは2駅(シェア1.5%)、既存マンションのみは41駅(同29.7%)となった。いずれかの世帯年収倍率が7倍以下になったのは計63駅(同45.7)となり、首都圏全体の半数以下にとどまった。
近畿圏は新築マンションが平均6,252万円・7.8倍、既存マンションは5,627万円・7.0倍、新築戸建てが3,703万円・4.6倍。中部圏は新築マンションが5,309万円・6.6倍、既存マンションが3,703万円・4.6倍、新築戸建ては3,320万円・4.2倍となった。