不動産ニュース / その他

2025/6/6

領域拡大で建設事業を伸長/長谷工

「生産性向上へDXを活用するとともに、“つなぎのロス”を減らしていきたい」と語る熊野社長

 (株)長谷工コーポレーションは代表取締役社長の熊野 聡氏が6日、記者を集めて会見を行ない、今後の戦略等について語った。

 主力の建設事業は好調で、受注環境も良好としながらも、建築費の高騰により「販売に際し、売値に転嫁できるかがポイントとなる。そして、分譲マンションマーケットは、販売価格が上振れしており、今後の販売状況については多少危惧している」(熊野氏)とコメント。
 また、人口減少が進み住宅マーケットの縮小が懸念されている点については、「首都圏を中心に人口流入が進んでいる地域も多く、優良ストックとするための刷新が必要な建物も多い。その意味でまだまだ需要はある。全体ボリュームが減ったとしても、シェア拡大を図り、売り上げを維持していく。当社は集合住宅の建設では他の追随を許さない。これまで培ってきた強みをさらにブラッシュアップさせて、ディベロッパーの期待に応えるものを供給していきたい」と述べた。

 人口減少時代での事業展開として、分譲マンション以外の強みを増やしていくとも語り、「板状マンションから、タワーマンション、賃貸マンションと実力をつけてきた。今後は住宅と親和性のあるホテル、高齢者施設、さらには住宅とは関係のない物流倉庫やデータセンターなどにもチャレンジし。事業領域を拡大していきたい」とした。

 企業として継承すべき良きところは継承し、変革すべき課題は変革を進めていくとし、「当社社員に継承されてきた『長谷工DNA』。高い目標を掲げてそれを達成する力、工夫とアイディアで独自の進化を遂げる力、団結力といった良さこそ当社のDNAであると、社員には繰り返し伝えている」と語り、これについては承継していくことが重要と力説した。
 一方で、克服すべき課題は生産性や効率性の向上と指摘。「生産性向上に向けてDXを活用し、1人当たりの生産性を向上させるとともに、“つなぎのロス”を減らしていきたい」とし、例としてオリンピック競技の400mリレーを挙げて説明。「1人ひとりのタイム差があっても、バトンパスの精度を上げて無駄をなくした結果、日本はメダルを獲得した。このイメージで、建設事業では、例えば協力会社との呼吸を合わせていけば、ロスが減って生産性を上げられる。不動産事業や管理事業でも、事業と事業の間をできるだけ短縮化することで、生産性を上げていきたい」とした。

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