国土交通省が不動産業のDX推進、AI活用を進めている。
同省では、全国1,747自治体のうち宅建事業者の事務所が「ない」自治体が235自治体となっていることを受け、空き家流通等の担い手となる宅建事業者の不足を懸念。DXやデジタル技術の確保によって負担を軽減し、生産性の向上によって担い手確保を図る施策を推進する。
31日には各不動産業界団体の長に対して「重要事項説明に関する業務におけるデジタル・AI等の技術を用いた補助ツールの取り扱いについて」とした周知依頼を発出した。2025年6月に閣議決定した「規制改革実施計画」において国土交通省が重要事項説明等の宅地建物取引士の負担軽減のために、技術の発展状況に応じた適切な補助ツールの活用が期待される旨を周知することが盛り込まれたことを受けたもの。同計画において書類作成や読み上げといった重要事項説明の各場面においてデジタル・AI技術活用の具体例や活用方法、留意点を検討・整理、公表も求められていることから、業界団体に対して周知を依頼した。
周知依頼では、25年度にDX化に関する実態把握等を行なった結果として、集客から物件調査、賃料・価格査定、契約書作成、契約関連書類の作成、引き渡し、契約・決済後のアフターサービスといった媒介に関する一連の業務に対して、どのようなデジタルサービスが投入されているかを網羅的に提示。また、デジタル技術を活用したプラットフォームサービスを活用した実証事業の結果も紹介し、活用のメリット・デメリットを提示した。書類等の作成時のヒューマンエラー削減や、業務効率化等の成果が得られた一方、サービス提供事業者によるサポートが必須であることを確認した。
このほか同省では26年度、AIをどのように不動産実務に活用するかを検証する目的で、「不動産分野におけるAI活用の推進に関する実証事業および実態把握事業」を実施する。実証事業では、仲介業務における媒介契約書、重要事項説明書、売買契約書といった各種書類のAIによる作成補助サービスを宅建事業者に試行的に提供して効果測定を行なう。
また、不動産仲介業務におけるAI活用の実態把握では、不動産テック事業者や宅建事業者に対してAIを活用した業務補助サービスがどのように利用されているかを調査。すでに補助サービスが普及している・不足している業務領域を調べた上で、課題等を明らかにしていく。
