東京建物(株)は3日、大規模複合施設「大手町タワー」(東京都千代田区)敷地内の「大手町の森」で実施した「温熱環境調査」に関する報道関係者向け発表会を行なった。
「大手町の森」は、敷地全体の約3分の1を占める約3,600平方メートルに及ぶ“本物の森”を再現したもの。多様な生物が行き交う移動拠点の役割を担っており、208種の植物類(2021年調査)や、129種の昆虫類・13種の鳥類(発見された数)などの生態系ネットワークを形成している。
昨今の深刻化する都市の暑熱課題を背景に、同社は都市緑地が人々のウェルビーイング向上に与える影響を科学的に検証することを目的とした共同研究を、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所と実施。同時に温熱環境状況を測定した。測定日は25年8月19~21日(晴天)。森の歩道、森の中、永代通りの歩道の3つに観測機器を設置し、気温を定量的に計測した。
その結果、森の内部と周辺歩道との間で、正午時に3℃以上の気温差を確認。地表面が落ち葉や草によって覆われていること、樹冠(樹木の枝や葉が茂っている上部の部分)によって日陰が形成されていることで、温度上昇を抑制することが分かった。また、森の内部においては、熱中症リスクの指標となる暑さ指数(WBGT:31以上が危険)の上昇が抑制され、危険域を回避(正午の永代通りの歩道:32.6、森の中:29.1)。WBGTの変動も比較的小さく、安定した環境を維持していた。
調査結果について説明した、同社ビルマネジメント第一部課長代理の髙橋優希氏は「“大手町の森”は周辺歩道と比較して、熱中症リスクの低い環境であることが実測値にて示された。今後も、都心における緑地整備の重要性、そして生物多様性に興味や関心を持っていただける取り組みを推進していく」と話した。
