三井不動産グループは17日、帝国ホテル(東京都千代田区)にて記者懇親会を開催。三井不動産(株)代表取締役社長の植田 俊氏をはじめ、グループ会社を含むトップが出席した。
冒頭、挨拶に立った植田氏は、同社を取り巻く現在の経済環境について、「金利がある世界が戻り、インフレが一過性ではなく構造的な変化として定着する新たな経済環境に移行している」と話した上で、「価値創造を強みとする当社グループの役割は、これまで以上に大きくなっていると実感している。今後も、『産業ディベロッパー』として社会のイノベーション、付加価値創造にこれまで以上に貢献していく」と強調した。
その後、各事業の現状や展望を植田氏が紹介。オフィス事業では、同社が進める「日本橋再生計画」のマイルストーンと位置付ける「東京ミッドタウン日本橋」が9月末に竣工予定で、2027年秋の開業を計画。「オフィスは、リアルなコミュニケーションを通じて付加価値を生み出す場に役割を変えた。企業の付加価値向上のためには、ワーカーが『行きたくなるオフィス』が、『行きたくなるまち』にあることが重要であり、その視点で見れば、日本橋再生計画によって日本橋は、ワーカーが『行きたくなるまち』に変貌した。坪賃料10万円という成約事例が生まれるなど、その評価もいただいている」と述べた。また、八重洲エリアについても、29年に竣工予定の「八重洲コア」の成約が順調に進捗しており、それらの開発について「今後は東京ミッドタウン八重洲などとも連携させ、日本橋・八重洲・京橋にまたがる面的なつながりによるウェルビーイングなまちづくりを進めたい」などと語った。
商業施設・スポーツエンターテインメント事業については、00年代開業の「ららぽーと」4物件の大規模リニューアルを開始したことなどを報告。特にアリーナ事業では、東京ドームを中心とした首都圏での事業基盤の広がりに加え、28年開業予定の「(仮称)名古屋アリーナ」に続き、大阪・難波でもアリーナの計画があるなど、三大都市圏での事業体制を構築できつつあるとした。
住宅事業については、得意とする都心大規模・高額帯マンションが好調に推移していると報告。「パークコート御茶ノ水ザ タワー」や「パークコート麻布十番東京ザ タワー」など主要物件の販売も開始され、おおむね順調に推移していることも明らかにした。
このほか、米国での住宅事業やインドでの住宅事業およびデータセンター事業への参画、英国ロンドンでのオフィス・ラボ・商業の大規模再開発事業が着工したことなど海外での事業進捗なども報告。国内でも築地地区のまちづくりにおけるエリアの歴史を踏まえた産業創出や、熊本でのサイエンスパークプロジェクト、宇宙ビジネス領域などイノベーションを推進していくことなどを紹介した。
全事業を通じた環境への取り組みについても言及。神宮外苑まちづくりでの緑地保全や27年1月に竣工する木造賃貸オフィスビル「日本橋本町三井ビルディング &forest」などを紹介。「木造賃貸オフィスなどへの挑戦を通じて、『植える・育てる・使う』という持続可能な森林循環に貢献していく」(同氏)と話した。
