(一社)不動産協会は18日、第364回理事会を開催し「令和9年度税制改正要望」を決定。その後に行なった記者懇談会で、同協会理事長の吉田淳一氏がその内容を説明した。
同氏は冒頭、挨拶の中で「わが国の経済はデフレではない状況に移行し、賃金と物価が共に上がる成長型経済への歴史的転換点の最中にある」と言及。「成長型経済に資する持続可能なまちづくりを通じて、わが国経済・社会の発展に貢献していくため」(同氏)、今回、(1)「強い経済」を構築し持続的な成長に不可欠な重要税制、(2)都市の国際競争力強化と持続可能なまちづくり推進税制、(3)未来志向の豊かな住生活を実現するための税制、(4)不動産事業の推進等に不可欠な税制、の4つの視点で税制改正要望をまとめた。
最重点要望として、(1)内に「土地固定資産税の負担調整措置の延長」を盛り込んだ。負担水準60~70%据置措置、条例減額制度等の延長を求める。同氏は「商業地などにおいては現状でも納税者の負担が大きい」と指摘した上で、同措置により「安定的な設備投資の促進等による経済の活性化や、地方創生などの取り組みを進め、中小企業を含むさまざまな事業者の税負担軽減を図りたい」とした。
(2)では、都市の防災性能向上や物流効率化等実現に向けた支援措置の延長・創設を求めるとし、市街地再開発事業の権利床に係る特例の延長などを要望。さらに、カーボンニュートラルやDXの技術進展も踏まえたまちづくりに対する支援措置の延長・創設について、緑地保全・緑化推進法人が設置管理する認定市民緑地の敷地に係る固定資産税・都市計画税の特例の適用期限延長、質の高い都市緑地や公共空間等の維持管理を通じて持続可能性を高めるための税制上の支援措置の創設などを求めていく。
その他、(3)では、住宅取得資金に係る贈与税および相続時精算課税制度の特例の延長・拡充や住宅の登録免許税の特例の延長、(4)ではJREIT等の登録免許税および不動産取得税の特例の延長、などを要望していくとしている。
また、(4)では、(一社)日本建設業連合会が重点要望と位置付けている元請事業者等による協力会社への支援に係る税制上の支援措置の創設を、同協会としても求めた。その理由について同氏は、「建設業界における生産性向上や担い手確保の進展を期待し、当協会としても要望している」と説明した。
