三井不動産(株)が販売中の都市型戸建住宅プロジェクト「ファインコート東京ウエスト」(東京都西東京市、総区画数65区画)は、新宿から15km圏内の“都市型”分譲地であり、かつ、緑豊かなエリア「安全かつ、機能的で美しい街づくり」をコンセプトとして開発された。一般への販売開始から約1ヵ月で51区画が売約済みとなった好評の理由を探るべく、現地見学会に参加した。
同社による「ファインコート」シリーズは、都心近郊で住環境のよい戸建住宅をという消費者の志向をいち早く捉えて誕生した。1994年の供給開始以来、首都圏での累計供給戸数は約5,000戸。同シリーズである「ファインコート三鷹」(分譲済)では、「街づくり」を評価され、2004年グッドデザイン賞受賞といった実績をあげている。
「ファインコート東京ウエスト」は、最寄り駅である西武新宿線「田無」駅徒歩13分をはじめとして、バス便利用で「武蔵境」「吉祥寺」駅へも好アクセス。西東京市役所などの市民生活には欠かせない公共施設が、徒歩圏内に集中していることからも生活利便性の高い立地となっている。
また、美しい街なみは住人とともに地域にとっても財産との考えから、土地の歴史や風土を尊重することで地域の価値までも高めることをめざす。さらには、この地の“小金井桜”をエントランスパークに植樹し、シンボルツリーとすることで、単なる児童公園との差別化をはかっている。さらに、街を囲うようにして設けられたゲートウォールは街の品格と同時に、領域性を高めることでセキュリティ効果を発揮している。
モデルハウスとして公開されているものを含め、建売住宅各住戸には3タイプの外観デザインと4種類のインテリアテイストを用意。個性を重視しつつも、エントランス部分に斑岩石を使用することによって街全体の景観を統一できるような演出がなされている。各住戸の南ひな壇の土地造成や、開口部を多く設けたプランニングで光を屋内に取り込む住戸設計が生かされている。
街づくりの特徴として、道路設計には“ボンエルフ(歩行者の安全を考えた街路整備手法の一つ)”の思想のもと、安全性の高い設計が行なわれている。周辺道路からの車の進入路を2ヵ所に限定し、さらに通過交通利用に適さない配置したほか、2ヵ所の歩行者専用エントランスを設けて歩車分離を実現している。交差点部分や道路の両側をインターロック舗装し車を減速させる工夫もとられている。また見通しを重視し、十字路を極力減らして三叉路を中心としている。
セキュリティ面では、同社の戸建住宅としては初めて“タウンセキュリティ(地域防犯)”を導入している。これは従来の各住戸を対象としたホームセキュリティとは一線を画しており、パソコンや携帯電話を利用した住民間の緊急連絡用ネットワークを中核としたもの。このような“タウンセキュリティ”の導入によって街全体で一つのセキュリティシステムを導入することにより、犯罪抑制効果が高いとされる地域内の連携による防犯を実現している。
また、共用部分(ゴミ収集場所、緑地など)の管理運営を4~5世帯が1グループとして行なうといった取組みも、コミュニティの形成に一役買うという。
都心近郊にありながら、ほっと癒される街がそこには広がっており、家を受継ぐだけではなく、街を受継ぐというに相応しい風格という印象であった。(タ)