記者の目 / ハウジング

2005/10/13

急成長のパワービルダーを支えるプレカット工場とは

日本最大級のプレカット工場、ポラスグループ(株)ポラテック

 最近の急成長ぶりで注目を集めているパワービルダー。  かつては安かろう悪かろうと揶揄されたこともあったが、飛躍的な品質の向上とともに、近頃では住宅・不動産業界の一翼を担うほどまでになっている。  そのパワービルダーの商品の品質を支えているのがプレカット材だ。  建築現場における職人の技術差や、建材を長期間現場に保管しておくことから生じる品質の悪化の防止、工期の短縮といったメリットに加え、大工人口が減少していることもあり、プレカット材は注目されてきた。  そんななか、ポラスグループの(株)ポラテックが、増大するプレカット材需要に対応するため、保有のプレカット工場を6万2,000坪に拡大したと聞き、見学してきた。

会見を行あうポラテック(株)プレカット事業部長の北大路康信氏(写真中央)
会見を行あうポラテック(株)プレカット事業部長の北大路康信氏(写真中央)
工場内の「持つ・運ぶ」を自動化
工場内の「持つ・運ぶ」を自動化
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700の棚を持つ多棟木拾装置。ここにこれから実行待ち・済みの木材が集約される
700の棚を持つ多棟木拾装置。ここにこれから実行待ち・済みの木材が集約される
建材はフィンランド、ルーマニア、カナダ、アメリカ、中国などの各国からやってくる。もちろん国産材も
建材はフィンランド、ルーマニア、カナダ、アメリカ、中国などの各国からやってくる。もちろん国産材も

 「顧客から選ばれる工場、プレカットメーカーをめざしたい」と語るのはポラテック(株)プレカット事業部長の北大路康信氏。
 世界各国のプレカットメーカーを視察し、これまでプレカットの作業ラインにありがちな「運ぶ、持つ」といった工程を省略することで、作業者の安全を確保できるとともに、高い品質を確保することができると確信したという。

 そのため、増設した工場では1,700の棚を持つ多棟木拾装置を導入し、フォークリフトが木を拾うため工場内を走り回らないように計画した。同装置は2人のオペレーターで稼働させることができるようになっている。
 また、作業行程を並列処理することで、ライン一部に不具合が発生した場合による生産性の低下を防いでいる。
 今回の工場増設に伴う投資金額は25億円。約30坪の住宅の場合、月2,000棟の生産能力があるという。

 現在、同社のプレカット材はポラスグループのほか、400社ほどに販売されている。
 取引企業が首都圏だけでなく、東北、中部、関西にも拡大していることから、2005年4月には中部から関西地方の需要に対応するため名古屋営業所を設立。また、中部、関西エリアに生産能力月2万5,000坪程度の工場建設も計画しており、現在調整中だ。
 
 同社グループでは「普通のサラリーマンが無理をせずに購入でき、そこで快適な生活を送ることができる家を供給すること」を標榜し、各事業を推進してきた。
 その家づくりのためには、低廉かつ高品質なプレカット材の存在が欠かせないのだ。

 良質な住宅ストック生産によるサスティナブルな社会をめざし、同社グループの挑戦は今後も続く。(ひ)

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