記者の目 / その他

2008/3/6

東急コミュニティー子会社、貸会議室運営で東京地区初進出

「AP西新宿」(3月3日)、「AP浜松町」(4月1日)がオープン

 大阪・名古屋地区で貸会議室運営を展開する(株)TCフォーラム(大阪市中央区、社長:正岡 篤氏、旧社名(株)大阪会館)は、3月3日に「AP西新宿」(東京都新宿区)、4月1日に「AP浜松町」(東京都港区)を開業、東京地区への進出を果たした。今回はオープンに先駆けて行なわれた、AP西新宿の見学会の様子をレポートする。

「コンベンションルームAP西新宿」で最も大きい部屋。2部屋をつなげて、最大144名まで収容が可能
「コンベンションルームAP西新宿」で最も大きい部屋。2部屋をつなげて、最大144名まで収容が可能
個室スペースも用意。面談や講師控え室としても利用できる
個室スペースも用意。面談や講師控え室としても利用できる
3人用の机には、荷物を置けるネットを設置
3人用の机には、荷物を置けるネットを設置
最新式の液晶プロジェクター。部屋が明るくても画像をきれいに映し出せる
最新式の液晶プロジェクター。部屋が明るくても画像をきれいに映し出せる
美しい音響を伝える「コンパクトアレイスピーカー」
美しい音響を伝える「コンパクトアレイスピーカー」



ホテルより気軽で、上質なサービスを提供

 (株)TCフォーラムは、(株)東急コミュニティー100%出資会社で、ホールや会議室、レンタルスペース等の管理運営を行なっている。
 施設名称のAPとは、All Purpose(多目的)の略。これまで、「AP大阪」(大阪市中央区)、「AP名古屋・名駅」(名古屋市中村区)をはじめ、大阪に3施設、名古屋に1施設を手がけ、順調に業績を伸ばしてきた。
 そして今春、“ホテルより気軽に利用でき、従来の貸会議室より上質なサービスの提供”をコンセプトに、激戦区東京に進出した。

 3月3日にオープンした「コンベンションルームAP西新宿」は、JR線、小田急・京王線「新宿」駅、都営大江戸線「新宿西口」駅など6路線からのアクセスが可能。営業面積695.18平方メートル、スクール形式で8名~120名に対応できるという。ミーティングや研修、説明会等に気軽に利用することができ、利用料金は、1時間坪当たり520円。予約・利用は3時間以上から受け付けており、3時間以降は1時間単位での利用となる。

 一方、4月1日オープンの「コンベンションAP浜松町」は、JR線「浜松町」駅から徒歩7分、都営地下鉄浅草・大江戸線「大門」駅から徒歩2分。総面積1,654平方メートルの大型施設で、スクール形式で8名~210名の対応ができる。大ホールもあり、展示会などのイベントを開催することもできる。


最新の設備を搭載し、利用者をサポート

 今回見学したAP西新宿は、部屋数が9室(15平方メートル~296平方メートル)。個人のスクールや面接、打ち合わせなどを行なう少人数用の部屋と、セミナー、研修会、パーティーなど大人数を収容できる部屋が用意され、さまざまな目的に合わせて部屋を選択することができる。また、部屋をつなげれば、最大236.43平方メートルとなり、144名まで対応が可能だという。

 各部屋には、LAN、プロジェクションテレビ、放送設備など、設備環境が整えられており、サービススタッフも常駐している。
 液晶プロジェクター(有料)は、部屋が明るくても画像をきれいに映し出せる最新式のものを用意。コンパクトアレイスピーカー(有料)は、館内の騒音レベルが高くても美しい音響が伝わるシステムを搭載した。
 3人用の机には、荷物を置けるネットを設置し、小部屋の椅子には、長時間座っていても疲れにくいによう、座り心地の良いものを用意するなど、利用者への配慮にこだわりをみせる。
 ベンチスペースや自動販売機も設置されているが、スタッフによるお茶出しのサービス(有料)も行なっているという。また、料理やドリンク飲み放題など、一人6,000円~7,000円のパーティプランも用意しているとのことだ。


会議運営のワンストップサービスで、差別化を図る

 単に部屋を貸すだけではなく、音響、プロジェクター、インターネットなどの最新設備の環境を整え、コンシェルジュサービスを行なうなど、利用者の要望に応えた同施設。値段は周りの相場よりも少し高い設定となっているようだが、会議運営のワンストップサービスを提供し、ホテルよりも気軽に利用できる点では、幅広い利用者を獲得できるかもしれない。

 同社が運営する施設は、今回の東京進出で、計6施設となる。すでに全国展開を決めており、今後は東急グループの一員として、貸会議室運営専業チェーンのポジション確立をめざし、さらなる事業展開に取り組んでいくという。
 その足がかりとなる「AP西新宿」と「AP浜松町」の2施設は、新宿と浜松町というビジネス街の中心地で、同業他社との競争も激しい中、どうのように顧客の要望に応えて差別化を図っていけるのか、今後の動向に注目してみたい。(さ)

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