記者の目 / ハウジング

2009/3/30

「ママの笑顔が見える」家

東京都下で分譲事業を手がけるアスティークが初の試み

 東京都下を中心に戸建分譲・マンション分譲事業を展開する(株)アスティーク(東京都立川市、代表取締役:細渕亭子氏)。同社は、これまで取り組んできた分譲住宅事業での思いや盛り込んできた工夫を、顧客・取引先に分かりやすく見てもらうために、コンセプト住宅とでもいうべきモデルハウス「ママの笑顔が見える家」を東京都日野市に完成、公開した。  子育て真っ最中の記者が、モデルハウスの様子をレポートする。

モデルハウス「ママの笑顔が見える家」外観(東京都日野市)
モデルハウス「ママの笑顔が見える家」外観(東京都日野市)
キッチンに立っての視点。リビング、そしてその置くのファミリースペースまで、目が届く
キッチンに立っての視点。リビング、そしてその置くのファミリースペースまで、目が届く
キッチンから見て右手に配してあるママコーナー。小さいデスクコーナーのようになっており、レシピを調べたり、ちょっとした書き物をしたりと、あると便利なスペース
キッチンから見て右手に配してあるママコーナー。小さいデスクコーナーのようになっており、レシピを調べたり、ちょっとした書き物をしたりと、あると便利なスペース
2階にある主寝室。勾配天井でゆとりの空間に
2階にある主寝室。勾配天井でゆとりの空間に
主寝室に備えられたロフト。「パパの秘密基地」とあるが、子どものスペースとしても、または収納としても活用可能だ
主寝室に備えられたロフト。「パパの秘密基地」とあるが、子どものスペースとしても、または収納としても活用可能だ
階段周りにはたくさんの収納が。こうした工夫がママにはありがたい(1階部分には、緑の丸の2ヵ所、2階部分は右上写真の階段横に1ヵ所、収納がある)
階段周りにはたくさんの収納が。こうした工夫がママにはありがたい(1階部分には、緑の丸の2ヵ所、2階部分は右上写真の階段横に1ヵ所、収納がある)
個室。こちらは男の子2人で使用するモデル。ちょっと狭く感じるが、遊びと勉強をこの部屋でしないとしたら、この広さで十分か
個室。こちらは男の子2人で使用するモデル。ちょっと狭く感じるが、遊びと勉強をこの部屋でしないとしたら、この広さで十分か

リビング横には「ファミリースペース」

 念のために説明するが、このモデルハウスは「ママの笑顔が見える家」という商品のモデルハウスというわけではない。

 同社は建売分譲事業をさまざまな立地や敷地で行なっているが、それぞれの地で最高のパフォーマンスを追求して商品(住宅)を提供してきた。そのための細かな工夫を、「ママの笑顔が見える」=家族が幸せに暮らせる、という視点でピックアップし、展示住宅に盛り込んだのが、このモデルハウスである。

 敷地面積が約50坪、建物は約35坪。なおこの住まいは30歳台の両親と、9~4歳まで3人の子供(長男、次男、長女)が住まう家、という設定のもと設計されている。
 ママを笑顔にするための工夫を、同社は「スマイルポイント」としている。今回はこの「スマイルポイント」を中心に紹介していこう。

 まずは1階のLDK(約22畳)に隣接した「ファミリースペース」(約6畳)。開かれた空間とし、家族で遊ぶにも、勉強するにも最適なスペースだ。「ママがキッチンにいても、パパがリビングでくつろいでいても、いつも子供たちの様子を視野に入れることができます」(同社管理部広報課課長・斉藤知史氏)。
 なお、キッチンに立ってみると、まず手前にリビングがあり、その奥に「ファミリースペース」がある形となる。パパのくつろぐ姿、そして、子どもたちの遊ぶ姿が、キッチンにいながら確認できる。これはママ側はもちろん、子どもたちにとっても安心できる環境となるに違いない。

 またリビングとキッチンの間には、「ママコーナー」という、半畳ほどの机として使用できるスペースがある。ママ専用の部屋・スペースというものが、キッチン以外「ないがしろ」にされている?といってもいい日本で、このちょっとしたスペースは感激ものである。

 なお、階段周りの通常は単なる壁である部分が、可能な限り収納スペースとして設計されているのも大きな特徴だ。

子ども部屋に子どもがこもるのはナンセンス!

 2階は主寝室(約8畳)のほか、個室が2つ(6畳弱)。

 主寝室は勾配天井で、開放的だ。そして、「パパの秘密基地」と銘打った3畳ほどのロフトを設置。収納スペースとしてはもちろん、パパの趣味のスペースとして活用できる。「実際にロフトを設けた住宅を購入してくださったお客さまに聞いたところ、子どもの遊びスペースとして使用している方もいました。かなり高さがあるので大丈夫かな、と思ったのですが、お子様は冒険気分で元気に遊んでいるようです」(同氏)。

 個室は女の子の部屋が1つ、男の子2人用の部屋が1つ。部屋はいずれも6畳弱であるから、広いとは決して言えない。特に男の子の部屋は、小学校入学を考えると、机を2つ置けるのか?などと心配になる。

 その疑問をぶつけてみると…。

 「子ども部屋で勉強をするというのはもはや昔の話ですよ。このモデルハウスでは、ファミリースペースやリビングで勉強していただくことを念頭に置いています」と同氏。
 そう言われてみて思い出すのが、『頭のよい子が育つ家』(四十万 靖・渡辺朗子著、日経BP社)という本。同書によると、有名中学に合格した子の学習環境を調査したところ、合格した子どもの多くは、子ども部屋ではなく、リビングやダイニングなどで勉強していたという。

 「家族が集い、コミュニケーションをたくさんとる家こそ、結果としてママを笑顔にするのです」(同氏)。

 なるほど。私が子どもの頃は「早く自分の部屋に戻り勉強しなさい」とよく言われたもの。さっぱり成績が上がらなかったのはそのせいか…と自分の子ども時代をふと反省した次第。

モデルハウス、周辺住民への解放も検討

 なお、このモデルハウス。当初は一定期間展示の後、販売ということを想定していたそうだが、いったん販売の予定は棚上げし、相当期間モデルハウスとして維持しながら、サロン・集会場などとして周辺住民の方にも利用していただく予定という。

 水道・電気などはすべて引込済みで、トイレ、キッチンなども含めすべて利用できることから、茶話会の場として、料理教室の開催場として、その他色々な用途で活用してもらうことを検討しているという。

 「当社の分譲戸建では、最新設備を積極的に導入しています。しかし、その良さを実感できないという方が多い。設備も含めた当社の住まいの良さを実感していただければ…」(同氏)とのこと。

 なお、このモデルハウスの様子は、同社ホームページでも見ることができる。間取りやモデルハウスの特徴などを詳しく掲載しているので、是非一度アクセスしてみていただきたい。(RN)

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