東京建物(株)は30日、顧客の要望に合わせパソコン上でマンションの設計変更ができるシステム「QS(キューズ)」を三洋電機と共同で開発したと発表した。
「QS」は、QUICK&STYLISHの略称で、顧客の設計変更要望にその場で対応するとともに、変更図面、変更金額をその場で提案することをコンセプトに開発したもの。同社が購入者やモデルルーム来場者、WEB上で展開している「東京未来建物会議Listen」を通じて行なった調査においても、設計変更への関心は高いことが分かり、これに対応すべく三洋電機とともにシステム開発を行なった。
具体的には、顧客ニーズの高い設計変更項目(ウォーク・イン・クロゼット、物入れ、クロゼット、建具変更等)をあらかじめパターン化すると同時に、住戸プランごとに変更可能範囲を設定。パソコン画面に表示される住戸プランの図面上で、簡単なマウス操作により設計変更を行なうことができる。また、設計変更後の図面や変更に要する見積金額等をその場でパソコン上に表示、画面を印刷し顧客に渡すことも可能。
さらに、設計変更に伴う煩雑な作業を効率化し、プロジェクトごとの導入コストの低減を実現。事業者やマンション販売センター、施工会社をインターネットで結び、設計変更後の顧客データを関係者間で共有することにより、スムーズな対応を可能とする。
同社では、東京都目黒区において建設中のマンション「Brillia 恵比寿 id」(総戸数38戸)において、同システムの導入をスタート。今後、銀座や神楽坂等での展開を予定している都心小世帯向けマンション「Brillia-id」シリーズに標準採用していくとしている。
なお同日、2003年2月14日の決算発表時に公表した、2003年12月期中間期および通期の業績予想を修正すると併せて発表。
2003年12月期中間期連結での業績予想は、売上高545億円(前回発表予想530億円)、経常利益57億5,000万円(同32億円)、当期純利益24億5,000万円(同15億円)に修正。
通期連結での業績予想は、経常利益133億円(前回発表予想102億円)、当期純利益64億5,000万円(同57億円)に修正された(売上高は変動なし)。
上方修正の理由として、同社では、中間期において賃貸事業部門の費用削減が進捗したこと、分譲事業部門で引渡しが順調に推移したことなどをあげている。