(株)住信基礎研究所はこのほど、不動産私募ファンドの運用会社に対し「不動産私募ファンドに関する実態調査」結果を発表した。
同社では例年12月に同調査を行なっているが、市場がデット資金調達難をきっかけに転換点を迎えるなか、市場に対する運用会社の現状認識把握のため、緊急に7月に実施したもの。
国内不動産を対象に不動産私募ファンドを組成・運用している不動産運用会社57社から回答を得た。
それによると、2008年6月末時点の市場規模(運用資産ベース)は、グローバルファンドを除いて13兆円と、前回調査(07年12月末)より3.2兆円増加した。
これは、グローバルファンドのうち、投資対象エリアを日本に限定しているファンドや、アンケート回答会社数の増加により調査対象が拡大した影響もあるが、これらの増加要因を除いても2.3兆円増加している。
また、前回調査では、サブプライムローン問題により、デットの資金調達が「厳しくなった」と回答した運用会社は73%と高い数値であったが、今回の調査では89%に上昇した。
融資姿勢を厳格化している点については、「許容LTV水準」(76%)、「金利条件」(70%)、「バリエーション」(62%)との回答が特に多かった。
また、厳しい融資姿勢について、どのように感じているかという設問に対して、「適正な調整につながる」が41.8%となったが、「厳しすぎて健全な成長を妨げる」が58.2%となった。
同調査の詳細は同社ホームページを参照のこと。