不動産ニュース / 調査・統計データ

2009/5/14

東京都下でのマンション事業、戸建てとの差別化戦略が重要/トータルブレイン調査

 分譲マンション事業の総合コンサルティングを手がける(株)トータルブレイン(東京都港区、代表取締役社長:久光龍彦氏)はこのほど、東京都下エリアの新築分譲マンション市場の現状をまとめたレポートを発表した。JR中央線・青梅線、京王本線・相模原線、西武池袋線・新宿線・拝島線沿線を14エリアに分け、2000~04年の「旧価格市場」と05~08年の「新価格市場」で、供給戸数、販売坪単価、契約率、平均面積などを比較した。

 販売価格については、とくに人気の高い中央線沿線が旧価格比で60%の上昇となっているほか、京王線沿線が37%、西武池袋線が70%と大幅に上昇。都下全エリアでは平均35%の上昇と、首都圏平均の25%を大きく上回っていた。ただし、西武新宿線については8%上昇にとどまっている。

 逆に契約率は、旧価格時代と比べ、どの沿線も軒並み下がっていた。その理由として(1)新価格物件は、旧価格以上の値づけにもかかわらず、駅遠物件が目立っている、(2)販売価格を抑えるための専有圧縮が行なわれ、ユーザーニーズにマッチしていない、(3)ほぼ同じ価格で新築戸建てが購入できる、(4)グロス価格が6,000万~8,000万円となるエリアは、リーマンショック以降、富裕層やアッパーサラリーマン層の動きが止まり苦戦している、などをあげている。

 レポートでは、同エリアでのマンション事業について「基本的に戸建てニーズが強く、戸建てに対抗するための広さが必要となるため、グロス上昇に直結する」、「その戸建ても、駅徒歩10分前後の好立地での供給が多く、マンションは駅近立地が絶対条件となる」と分析。「沿線・エリアごとに細かく市場ニーズ・民力からグロスアッパーを探り、戸建てとの差別化戦略を立地・価格両面で行なうことが重要」と結論付けている。

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「海外トピックス」を更新しました。

サントスの「動く博物館」と中心街の再活性化【ブラジル】」を更新しました。

ブラジル・サンパウロ州のサントスでは、旧市街地2.8キロをめぐる「動く博物館」が人気となっている。1971年には一度廃止された路面電車を復活して観光路面電車としたものだが、なんと日本から贈られた車両も活躍しているという。