トヨタ自動車(株)は4日、プラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)等の電気利用車両と住宅との間で電力を相互供給するシステム(V2H)を開発したと発表した。
同システムは、車両への充電はもとより、車両に蓄えた電力を住宅へ供給することができるため、双方向の電力供給が可能となるもの。
PHVに搭載した交流・直流変換器により車両から交流電力を供給するとともに、車両・充電スタンド・住宅の間のデータ通信により電力の流れを制御する。
家庭内・地域内の太陽光発電を利用してつくられた低炭素の電力(グリーン電力)や低コストの夜間系統電力を住宅に設置した充電スタンドを経由して車両に充電・備蓄。電力需要のピーク時間帯等に車両に蓄えた電力を交流電力で家庭内に供給することもでき、電力の流れは家庭内に設置されたエネルギーマネジメントシステム(HEMS)が自動制御する。
また、災害時等には車両の蓄電池を非常用電源として利用することも可能。手動切り替えで車両から充電スタンドを介して家庭内の照明やコンセントへの交流電力を供給することで、PHV1台で、一般家庭の日常使用電力の約4日分をまかなうことができる。
今後、同社は、2010年4月に始まった「豊田市低炭素社会システム実証プロジェクト」の一環として、同プロジェクトの実証住宅約10世帯を対象にプリウスPHVを使って12年末から同システムの供与を開始する予定。