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2014/1/6

「2014年 年頭挨拶」(各社)

三井不動産(株)代表取締役社長 菰田正信氏
三菱地所(株)取締役社長 杉山博孝氏
住友不動産(株)代表取締役社長 仁島浩順氏
東急不動産ホールディングス(株)代表取締役社長 金指 潔氏
東京建物(株)代表取締役 社長執行役員 佐久間 一氏
野村不動産ホールディングス(株)取締役社長 中井 加明三氏
三菱地所レジデンス(株)取締役社長 小野真路氏
(株)大京 代表執行役社長 山口 陽氏
森ビル(株) 代表取締役社長 辻 慎吾氏
三井不動産リアルティ(株)代表取締役社長 竹井英久氏
大和ハウス工業(株)代表取締役社長 大野直竹氏
積水ハウス(株)代表取締役社長兼COO 阿部俊則氏
旭化成ホームズ(株)代表取締役社長 平居正仁氏
三井ホーム(株)代表取締役社長 市川俊英氏
トヨタホーム(株)取締役社長 森岡仙太氏
ポラスグループ代表 中内 晃次郎氏
(株)LIXIL住宅研究所代表取締役社長 今 城幸氏
パーク24(株)代表取締役社長 西川光一氏
(株)長谷工コーポレーション代表取締役社長 大栗育夫氏
サンフロンティア不動産(株)代表取締役社長 堀口智顕氏

(順不動)

■三井不動産(株)代表取締役社長 菰田正信氏

 明けましておめでとうございます。

 2013年は、まさに時代が大きく動いた一年でした。アベノミクスと言われる積極的な経済政策で、株高と円安が進みマーケットは一変し、製造業を中心に企業業績が急速に改善しつつあります。また、夏の参院選を経て「決められる政治」を実行できる環境が整いました。さらに、9月には、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決定し、国民のマインドを前向きに変える大きなきっかけとなりました。

 住宅マーケットにおいても、安倍政権が目指す「デフレからの脱却」のポイントとなる消費者マインドが前向きに変わるという現象が、すでに顕在化しつつあります。

 2014年は、世界からの注目度が高まっている日本経済を本格的に回復させ、さらに持続可能な成長軌道に回帰させるために、アベノミクスの第三の矢である成長戦略を実効性が上がるかたちで描き、着実に、スピード感をもって実行していくことが必要となります。オリンピック・パラリンピック開催という第四の矢をどう有効に使っていくかも非常に重要です。

 日本経済の本格回復には、日本の国際競争力を復活させる必要があり、そのためには都市としての東京の国際競争力を高めなければなりません。東京がどれだけヒト、モノ、カネ、情報をひきつけられるか。2020年までの6年間は日本を再生する大きなチャンスであり、今年は、そのために何をすべきかを明確化し、スタートダッシュをきる年にしていかなければなりません。

 当社グループにおいては、成長戦略の実行主体は我々民間企業であることを強く意識して、自らの成長戦略を実行するとともに、「街づくり」を通して、東京の都市競争力の強化、日本の国際競争力の強化に貢献していきたいと思います。

 今年の干支は「甲午(きのえうま)」ですが、前回の1954年は、戦後の日本の高度成長がスタートした年でした。今年2014年は、オリンピックに向けて日本を作り直し、日本が新たな成長を遂げていくスタートの年、すなわち成長戦略を実行していく年にしたいと思います。

■三菱地所(株)取締役社長 杉山博孝氏

 2013年は、円安・株高の進行や企業業績の改善もみられ、国内景気に明るい光がさし込んだ一年であった。アベノミクス第三の矢の成長戦略に期待する。

 オフィス賃貸市場については、新規供給が一服し、マクロ経済の回復傾向を背景に、空室率に改善が見られ、賃料水準については一部に上昇が見られるなど、底が見えてきた状況だ。

 不動産取引市場では、買い手の購入意欲が旺盛で、キャップレートも引き続き低下を続けている。

 分譲マンション市場の販売状況については、中心価格帯の物件については継続して好調に推移しているが、2013年は、「ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵」など、高額帯住戸の販売が進んだことが特徴的だった。

 足元のマーケット環境が改善していく中、各事業グループが収益改善施策を積み上げていくことが肝要である。

 分譲マンションについては、建築工事費の上昇や用地取得競争の影響が生じても、消費者のニーズに合致した商品を提供すべく、コスト管理や取得用地の選別等の対策を講じていく必要がある。

 各社員が持ち場ごとに責任を意識して業務にあたり、チーム力を高めてほしい。また、一つひとつは小さなことでも、業績向上の努力を積み上げていってほしい。

 我々が中長期経営計画「BREAKTHROUGH 2020」に掲げている長期ビジョン「都市の未来へ、世界を舞台に快適な空間と時間を演出する企業グループ」及び「イノベーティブ、エココンシャス、カスタマーオリエンテッド、グローバル、アズワンチーム」の5つの価値を再確認したい。

 「BREAKTHROUGH 2020」が掲げたゴールは2020年の姿であるが、東京オリンピックの開催年とも重なることとなった。我々も2020年にめがけ、東京が世界に誇れる街となるよう、努力と工夫を重ねて参りたい。

■住友不動産(株)代表取締役社長 仁島浩順氏

 昨年の日本経済は、アベノミクスによる株高・円安への転換で景況感が大幅に改善した。デフレ脱却と景気回復に向け、ようやく挑戦できる地合いが整ってきた。安倍政権には、引き続き、景気下支えのため実効性のある経済対策を期待したい。

 当社は、4月より第六次中期経営計画をスタートさせた。初年度は、目標に掲げた過去最高業績の更新が視野に入ったが、最後まで油断せず確実に仕上げたい。一方、足元では、消費税増税の影響や建設費上昇への対応など、中計の目標達成に向け課題は多く、先行きは決して楽観できない情勢だ。

 加えて、将来の少子高齢化なども見据え、当社の目指す「持続的な成長」実現には、既存事業の基盤強化や新分野の開拓が急務だ。全役職員が現状に満足することなく、今の仕事のやり方を抜本的に見直し改めること。今一度、当社の行動指針である「快活な気風、高い目標、新しい発想」という原点に立ち返り、それぞれの課題に取り組んでほしい。

■東急不動産ホールディングス(株)代表取締役社長 金指 潔氏

 昨年、東急不動産、東急コミュニティー、東急リバブルの3社は、経営統合により、「東急不動産ホールディングス」を設立した。財務基盤強化による事業成長加速、グループ連携による事業間シナジーの拡大、経営の機動性・効率性の向上を掲げ、成熟した経済環境下においても、持続的成長を目指していく体制を実現することができた。

 変革のためのプラットホームが出来上がったことで、今年は本格的な成長フェーズに移行していく。将来に向けた事業展開として、銀座、渋谷の再開発を中心にグループをあげて取り組み、都市開発を推進してまいりたい。

 また、住宅業においては、経営統合のメリットをより生かして、開発、販売、管理の連携によるバリューチェーンの強化を加速していく。インドネシアなどで展開する海外においても、開発から管理、運営と当社グループのリソースを最大限活かしていきたいと考えている。

 当社の中核会社である東急不動産は昨年の12月に60周年を迎えた。大きな節目の年に、ホールディングスとして新たなスタートを切ることになったわけだが、これまでの歴史の中で培われてきた「チャレンジ精神」や「お客様への思い」は、今後も変えるべきではないと考えている。しかし、考え方や行動は、時代に合わせて変化させることで、常にお客様の目線で、選ばれる会社へと変わっていかなければならない。

 「変わらぬ思いで、変えていく。」今年はこの言葉を胸に、変革することで、不動産業界の発展に貢献してまいりたいと考えている。

■東京建物(株)代表取締役 社長執行役員 佐久間 一氏

 金融緩和、財政出動等の政策により、これまでのところ株式市場の回復、円安の進行など経済は着実に回復しつつあるものの、本格的な景気回復を支える個人所得や企業の設備投資にまで波及するには今しばらくの時間を要するところであり、今後も実効性ある成長戦略の推進が不可欠である。

 当社グループを取り巻く事業環境においては、新規の供給が落ち着いたことから、競争力のあるオフィスについては空室率や賃料水準が回復の動きが出始めており、分譲マンション事業も住宅ローン減税などの施策により消費増税による影響も殆ど見られず、堅調に推移している。また不動産投資市場においても日本経済回復への期待から、海外の投資家やREITなどを中心に不動産取得の動きが活発化するなど、明るい動きが出ている一方で、足元では建築費の高騰あるいは優良な用地取得が激化するなど様々な懸案が存在しており、中期経営計画の最終年度に際し、グループの総力を挙げてこの困難な状況に立ち向かっていく。

 2020年オリンピックの東京招致が決定したことは社会的にも明るいニュースとして歓迎するが、これにより都市のインフラ整備加速も期待される。国際都市東京としての魅力を高め、世界に発信すべく、街づくりという形を通じて我々もその一躍を担っていきたい。

■野村不動産ホールディングス(株)取締役社長 中井 加明三氏

 今年2014年は「甲午(きのえうま)」の年です。「甲(きのえ)」は草木の芽がその殻を破って頭を出したという象形文字で、物事の「はじめ」という意味があります。「午(うま)」は「さからう」の意味に用いられます。このことから2014年は、様々な反対勢力の抵抗を受けつつも、これまでの殻を破って新しい形勢が始まる年と言えます。

 リーマンショックから5年を経過したものの、世界経済は未だに不安定要素を抱え、各地で政治的緊張が高まる状況にあります。「きのえうま」(1954年)生まれの安倍首相が推進するアベノミクスがデフレ脱却に結びつくかどうか、正念場の年であります。改革の実行には反対が付き物です。旧来の殻を破り、新しい時代の始まりを告げる年となることが期待されています。わが社においても然りであります。旧来の殻を破り、新たなステージに立てるかどうか。これはまさに我々1人1人の変革への意思にかかっているのです。

 そのような年の初めに申し上げたいことは、新しい経営目標である「新たな事業領域への挑戦」、「ダイバーシティーの推進」であります。

 「新たな事業領域への挑戦」は、過去の延長線上にはない、「独自性」と「高い価値創造」を継続的に発揮し続けることです。

 「ダイバーシティーの推進」は、多様な人材は個々の価値観を生かし、組織を活性化することで、企業の活力を生み出し、新たな価値創造に繋げることです。

 我々は一昨年2012年10月、10年後を見据えた中長期経営計画を策定し、この1年で大きく業容もポジションも変化しましたが、この変化はまだまだ緒に就いたばかりです。

 グループ各社において今後とも、価値創造に向けた挑戦を続けていかなければ当社の持続的成長はあり得ません。変革こそが企業の成長の源泉なのです。全員で10年後の大変貌を目指してスタートしていこうではありませんか。

■三菱地所レジデンス(株)取締役社長 小野真路氏

 2013年は、景気の先行きへの期待等から国内経済は緩やかに回復し、円安・株式相場の上昇や、歴史的低金利と今後の金利先高感等の要因からマンション市場は活況を呈し、当社においても中心価格帯の物件のみならず、「ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵」をはじめとする都心の高価格帯物件の販売も好調に推移した。

 一方で、引き続き建築工事費高騰や労務事情の逼迫については注視する必要があり、これらに対しては、コスト管理等機動的に対応していかなければならない。

 2014年度は、三菱地所グループの新しい中期経営計画の初年度であり、巡航速度での利益計画を着実に達成するとともに、お客様からの評価向上に意を注ぎ、高品質・高付加価値な住まいやサービスを提供して参りたい。

 2020年の東京オリンピック開催決定を受け、マンションデベロッパーとしてアジアの中核となる、より魅力的なまちづくりを推進し、当社においては、アジアを中心とした海外事業および昨年新規事業として参入したリノベーションマンション分譲事業にも注力していきたい。

■(株)大京 代表執行役社長 山口 陽氏

 2014年は、4月1日から消費税率が8%に増税されます。前期、円安・株高などによる景況感の好転を受け、多くの上場企業において業績改善が進みましたが、企業の賃上げ等により家計の収入が上がったという実感はまだなく、消費の拡大にはつながっていません。その一方で、建設費の高騰などにより不動産市場は厳しい状況になることが予想されます。その中で、「お客さまに選ばれる住生活をコアとした新しい『不動産サービス事業』を目指すために、お客さまにとって価値ある商品・サービスを提供し続ける「お客さま価値経営の実践」をすることが、我々が取るべき行動です。

 大京は、今年の12月で設立50年を迎えますが、常に自分たちの足元を見つめ直し、現場での「気づき」を形に変え、これまで以上に、ご支援頂いている各ステークホルダーの皆さまのご期待に応えていかなくてはなりません。50 周年を迎える今年は、感謝の気持ちと誇りを胸に、「お客さま第一主義」の精神を再認識し、お客さま満足度を更に高め、様々な場面や事業で選び続けていただける「新しい大京グループ」をつくりあげていきましょう。

■森ビル(株) 代表取締役社長 辻 慎吾氏

 実体経済の本格的な回復は、アベノミクス第3の矢である成長戦略にかかっている。その鍵を握るのが、我々が長年にわたり必要性を訴えてきた国家戦略特区構想だ。

 日本の不動産市場、特に我々の戦略エリアには追い風が吹いている。しかし、一方で競争の激化や建築費の高騰も予想され、次にどういう手を打つか、どんなシナリオを描くかで、この風を活かせるかどうかが決まる。私はこの風をしっかり掴むつもりであり、森ビルには追い風を活かせる立ち位置と能力がある。

 2014年は我々にとって「アクセルを踏む年」になる。千載一遇のチャンスを最大限に活かして、東京の磁力を高める開発や仕掛けをし、そのなかで我々自身も大きく成長していく。今年完成する「虎ノ門ヒルズ」は、道路と建物を一体的に整備した画期的な都市モデルであり、今後の都市再生に大きなインパクトをもたらすプロジェクトだ。オリンピック開催に向けた「東京再生元年」の象徴としても、必ず成功させなければならない。

 今日から「攻めの年」「行動の年」が始まる。全体を見て、潮流を読み、背伸びをして挑戦してほしい。東京を世界一の都市にすべく、今年1年を共に走り抜こう。

■三井不動産リアルティ(株)代表取締役社長 竹井英久氏

 昨年は、新政権への期待から年初より景気回復基調がみられ、不動産流通業界におきましても金利・物件価格の先高観も後押しし既存住宅流通マーケットは非常に活性化しました。後半は、勢いは落ち着きながらも好調を維持したまま1年を終えることが出来ました。今年は、消費増税など懸念材料はあるものの、日本全体の景気も緩やかに回復しつつあり、好況が継続することを期待しています。

 「三井不動産リアルティ」として2年目の昨年、仲介事業・駐車場事業とも想定を超える結果を出すことができたのは好調なマーケットに支えられた側面もありますが、合併統合の狙いであった自ら営業する会社としての体制整備と組織の効率化も寄与していると手ごたえを感じています。

 3年目を迎える今年は、より一層強い会社となるために、1月1日付で組織改正を実施しました。仲介部門のフラット化による更なる意思決定の迅速化と、採用・教育の強化のためです。

 当社のようなフィービジネスの会社は、言うまでもなく情報と人材が財産です。新鮮で有益な情報を収集し、素早くお客様に届けるための投資と、不動産のプロとしてサービスを身につけた社員の採用・育成に力を入れていきます。

 政府主導での既存住宅流通市場活性化施策が打ち出され、税制面での支援も決定するなど不動産流通業界には大きな期待が寄せられています。当社といたしましては、お客様の安心・安全で納得できる取引への期待感にお応えできるようサービス、人材、業務品質におけるNo.1を目指し全力で午年を走り続けます。

■大和ハウス工業(株)代表取締役社長 大野直竹氏

 昨年は長引く日本経済の停滞から、アベノミクスの経済政策や東京五輪の決定などにより緩やかな回復基調に持ち直し、成長の兆しが少しずつ現れはじめた一年でした。

 こうしたなか、2013年上期は売上高・営業利益・経常利益・純利益とも中間期として過去最高を更新し、第4次中期経営計画のスタートにふさわしい決算を行なうことができました。

 当社は、第4次中期経営計画の最終年度において、売上高2兆8,000億円、純利益1,000億円を目標として公表しています。その達成のためには、国内でもさらに事業領域を拡大させ、グループ会社とのシナジー効果が出るよう、川上から川下まで事業展開を進めるとともに、海外ではASEANを中心とした新興国でも事業展開を加速させていきたいと思います。

 新しい年を迎えるにあたり、皆さんにお願いしたいことが2つあります。

 一つ目は気の緩みの撲滅です。売上高2兆円達成に続いて、建設業界最高の売上高2兆5,500億円の達成を目指していますが、事業ごとに見るとシェアNO.1ではありません。私達は未だ挑戦の途上にいることを肝に銘じてください。

 二つ目に目標の再設定です。消費税増税という大きな税制の変更は過去に二度経験しましたが、二段階の消費税増税がどの程度の影響を住宅業界に与えるのかは不透明のままです。しかし、当社グループはこれまで不況や逆境でも成長してきた会社です。このような状況を最大のチャンスと捉えて下さい。1月には競争力の高い新工法による戸建住宅商品を投入します。シェアNO.1と真の意味で住宅業界NO.1奪取のため、営業活動に全力で取り組んで下さい。そのためにも、年の始めに当たり役職員一人ひとりが課題をしっかりと整理し、成り行きの数字ではなく最大限の努力を加えた目標を定め、スピードを持って積極的に挑んでください。

■積水ハウス(株)代表取締役社長兼COO 阿部俊則氏

 今年はアベノミクス効果で更に住宅、不動産投資が活況になることを期待しています。消費税のことはあったとはいえ、金利先高感や資材・労務費の高騰など、早めの住宅取得意欲を喚起する条件は事欠きません。また相続税改正に向けたお客様の関心は継続しており、まだまだ需要は拡大します。

 私たちは、政府が2020年の普及を掲げるZEH「グリーンファースト ゼロ」の拡販に力を入れ、2年目となる今年は戸建の6割の普及を達成します。また、好評を頂いている3・4階建商品にも継続して力を入れ、高い提案力で臨みます。

 サービス付き高齢者住宅やリフォームにも更に力を入れてまいります。今年には海外事業も大きな収益期を迎えます。そして水素社会の実現に向けた、HEMSやヘルスケアサポート、IT、ロボティクス技術などの未来志向の技術開発にもチャレンジを続けます。

 加えて、「なでしこ銘柄」企業として女性活躍推進をはじめとするダイバーシティ経営を推進します。グループ全体で、無駄なく、メリハリをつけ仕事を進めたいと思います。イキイキと働き、成果も上げる。そして効率も追求します。徹底した人材育成で提案力・営業力を強化してまいります。

 私は毎年毎年、今が正念場だと考えて仕事に取り組んできました。今年はその思いをより強くしています。お客様満足の向上を図り、より高い目標に挑むことで「成長」を続けてまいります。

■旭化成ホームズ(株)代表取締役社長 平居正仁氏

 昨年は、日銀による異次元の金融緩和策の実行をはじめとするデフレ脱却に向けた諸政策が動き出しました。住宅市場では、住宅ローン金利が市場最低水準となり、各種住宅取得促進策が継続されたことに加え、消費税増税に伴う需要前倒しも発生したことで、上期の受注実績は大幅に伸長いたしました。年度後半は受注前倒しの影響から逃れることができませんでしたが、政府による反動減対策として住宅取得促進策を拡充いただいていることに加え、経済環境もデフレ脱却に向けた動きが見えつつあります。これを踏まえ私達は、消費税増税後の日本経済の腰折れを回避し、デフレ脱却の歩みを確かなものとするために、全力を注いで市場の活性化に努めて参ります。

 当社は、常に社会の変化とお客様の住まい方の変化を見つめることで、二世帯住宅や3階建て住宅など時代を反映した新しい住まいのあり方を提案し続けて参りました。現在、団塊世代を中心とする高齢化の加速や晩婚化・非婚化の進展など、社会構造の変化が益々加速しています。住まいや街のあり方も、安全・安心は当然のことながら、人・地域・社会との繋がり方を中心に変化が求められていると感じます。昨年発売した二世帯住宅「都市の実家」は、このような視点から開発された商品でした。一方、昨年11月には主力商品である低層戸建住宅の躯体を見直した新商品「NEXT HEBEL HAUS」を上市し、基本性能や空間創造力を革新的に向上させました。

 資材価格や労務単価の上昇など、変化の中で懸念される課題もありますが、本年も「一人でも多くのお客様に、一日でも早く快適な生活をお届けする」ことを目指し、どこよりも安心・安全で、時代と暮らしに寄り添った住まいをお客様とともにつくり続けることで、次世代へと繋がる価値の高い住まいを提供して参ります。

■三井ホーム(株)代表取締役社長 市川俊英氏

 昨年のわが国経済は、政府の各種景気刺激策や日本銀行の金融緩和策、株高円安基調を背景とし、景気回復に向けた動きがみられました。住宅業界においては、東日本大震災以降、住宅の安全・安心に対する意識や省エネ・創エネに対する関心が高いことや、消費税増税や金利先を見越した動きなどにより、住宅取得意欲の向上がみられ、新設住宅着工戸数も堅調に推移いたしました。

 当社におきましては、金利先高観、消費意欲好転等の要因から、注文住宅の受注は年初来9月まで前年同期比2ケタ増で推移しました。しかし10 月以降はローン控除拡充等政府の各施策効果が感じられるものの、消費税増税の反動減や、震災復興工事等の影響による慢性的な職人不足等は継続しており、先行き不透明感は拭えません。急務である着工・引渡をはじめとした経営の平準化、さらなる営業力強化、あらゆる角度からのコストダウン・業務改善を、今年も力強く推進してまいります。

 今年、当社は創立40 周年を迎えます。これもひとえに、お客様や協力工事店を始めとするパートナー会社の皆様、その他ステークホルダーの皆様に感謝するものであります。これを機に、年初より「暮らし継がれる家」のブランドコピーをより具現化したキャッチコピーを「オーダーメイドプライド。」としました。これは、お客様の夢とこだわりに向き合い、世界にひとつだけの住まいを共に創り上げ、満足していただくという当社の家づくりのプロセスに誇りを込めたメッセージです。多くのお客様に共感していただき、三井ホームの家が憧れになるような、住んでいることがステータスとなるような、そんな輝かしいブランドを構築することを目指してまいります。

 永く愛される「デザイン」と安全・安心な「性能」を探求し続け、多くのお客様からご支持いただき、記念すべき節目の年に向けて当社のブランドが一層輝くよう、グループ全員のベクトルを合わせ、邁進いたします。

■トヨタホーム(株)取締役社長 森岡仙太氏

 当社は今年、会社設立11年目に入り、トヨタホームらしさを実現する新たな飛躍の年にしたい、と考えております。

 2013年は今年4月の消費増税を控え、前半は駆け込み需要が発生し、後半はその反動減によって大きく揺れ動きました。そうした中、トヨタホームは“スマートハウス飛躍の年”と位置付け、スマートハウスの普及に取り組んでまいりました。2011年に業界の先陣を切ってスマートハウス「シンセ・アスイエ」を投入以来、グッドデザイン賞を受賞した「シンセ・フィーラス」などで存在感を発揮することができました。

 2014年は引き続きトヨタグループの住宅会社として「家・クルマ・情報」の連携をより進化させ、お客様のご要望にお応えします。

 住宅市場は2014年、非常に厳しい局面を迎えることが予想されます。トヨタホームは“Sincerely for You ~人生をごいっしょに。~”のブランドビジョンのもと、昨年参入したインドネシア事業、高齢者事業、新会社を設立したリフォーム事業の基盤を固めるとともに、社会変化に伴うお客様のご要望にお応えするため新商品開発も推し進め、トヨタホームらしい「安全・安心・健康・快適」の住まいをご提供します。

 そうした取り組みを高い満足度とともにお客様にお届するには、我々トヨタホームグループの社員一人ひとりが常に高い意識をもって仕事に向かわねばなりません。営業、生産、施工現場などを担う社員一人ひとりが「昨日より今日、今日より明日」の高品質の商品とサービスをご提供できるよう、TQM活動などを通じ人材の育成を進めます。

 今後とも、お客様に喜ばれる住宅づくりに努力を惜しまず、取り組んでまいる所存です。

■ポラスグループ代表 中内 晃次郎氏

 消費税増税決定の影響や景気回復などを受け、受注残が積み上がり、新築やリフォーム事業は年度末にかけてとても忙しくなることが予想されます。また、増税後に導入される予定の、国による調整施策もあり、政治や経済状況がこのままいけば、後半も住宅市況は良くなるのではないかと考えます。

 今年は“勇往邁進”をモットーに、様々な取り組みを成果に結びつけていく年に致します。一本調子でいくことはないと思いますが、恐れることなく自信を持って行動することで、目的・目標に向かって前進できるいい年になるはずです。

 そのためには、理念経営を改めて徹底し、更なる地域密着経営の推進・エリア内シェアの重視・お客様満足度の向上を業務の中心に据えて取り組んでまいります。

 そして、お客様の様々なニーズを吸い上げた結果、どのような商品やサービスをご提供できたのかが感じられる活動に直結させるように、自分達の業務が社会やお客様に与えている影響を熟考し、良い方向に進めるべく従業員各々が生産性の向上を目指し業務を遂行してまいります。

 そして来る26年度は創業45周年を迎えます。これを機に前向き志向をより高め、100年を超えてもなお続く北極星を目指し、グループが一丸となり“勇往邁進”致します。

■(株)LIXIL住宅研究所 代表取締役社長 今 城幸氏

 当社は今年節目の年を迎えます。おかげさまで本年5月に、FC展開している「アイフルホーム」が創立30周年を迎えます。これも従業員をはじめ、関係各位の皆さまのご支援の賜物と心より御礼申し上げます。

 昨年の日本経済は2012年末の政権交代以降、日本株市場の大幅上昇を背景に日本経済全体が上昇傾向に向かい、「アベノミクス効果」により、景気回復の兆しが見えはじめた年となりました。

 また、2020年東京五輪開催も決定し、住宅・建設業界にも五輪開催による経済効果を期待する声があがっています。

 一方で、台風や竜巻、土石流など自然災害が相次ぎ、住宅被害が深刻化した年でもありました。また、2014年度より消費税が8%に上がることが決定。前回ほどではありませんが、駆け込み需要及びその反動減が発生したのも事実です。さらに2015年に控える消費税10%の影響による住宅取得マインドの低下は避けられないものと考えています。住宅ローン減税の拡充やすまい給付金など住宅需要の下支えとなる施策はあるものの、この厳しい事業環境は当面の間続くと見ざるをえません。

 このような社会、市場、お客様の変化に対し、我々は、(1)省エネ基準の改定とゼロエネルギー住宅の提供、(2)安全・安心な住まいと国土強靭化への対応、(3)ストック住宅へのネクストステージへ、を3つの柱とし、中期経営計画の初年度にあたる2013年度は、さらなる体質強化を図るため、様々な施策を実施してきました。「制震システム導入住宅の拡販」や木材利用ポイントに対応した「国産材利用住宅」、さらには非常時・災害時に防災活動拠点にもなる、災害に強い家「レジリエンス住宅CH14」の開発など時代を反映した住まいを提供してきました。また、変化の激しい住宅業界を勝ち抜いていくため、仲間となる加盟店を増やす活動を積極的に取り組んできました。

 本年も市場・お客様の変化など柔軟に対応し、新たなチャレンジを進めていきます。そして、一人でも多くのお客様に、「人に地球にやさしく、生涯安全・安心・快適な住まいをお届けする」ことを目指し、次世代へずっと、永く住み継がれる資産価値の高い住まいを提供することに全力を尽くしていきましょう。そのために、新築住宅のさらなる価値向上に取組み、ストック市場においても、リフォーム事業を第2の柱とし、加盟店様と一枚岩となって「お客様にとっての快適な住まい」の具現化に取り組んでいく所存です。

■パーク24(株)代表取締役社長 西川光一氏

 昨年を振り返りますと、新政権による金融政策の効果により円安・株高が進行し、企業業績が回復へ向かう一方で、景気回復への期待感や消費税増税前による駆け込み需要により、住宅着工の増加・新車登録台数の増加など、消費マインドの改善が見られました。

 そのなかで、当社グループは、着実に駐車場の供給台数を増やすのと同時に、モビリティ事業において積極的な車両投入を実行いたしました。

 さらに、当社グループは「タイムズ」を、"駐車場ブランド"から"交通インフラサービスブランド"へ進化させるべく、大きく舵を切りました。

 2013年4月1日には、すべてのサービスブランドに「タイムズ」を冠しました。特に、レンタカーサービスについては49年続いた「マツダレンタカー」のブランドネームを「タイムズカーレンタル」とし、カーシェアリングサービス「タイムズカープラス」とともに、これまでにないモビリティサービスの提供を目指す、新たな「挑戦」をスタートさせています。

 2014年は、消費税増税による個人消費の落ち込みや海外経済の動向など、不安定な要素はありますが、企業の設備投資や公共投資の伸びなど景気の下支えになることが期待されています。

 当社グループは、クルマ社会のさらなる発展を目指し、約8,100万のドライバーの皆さまに、ストレスのない移動を実現してまいります。そのために、駐車場サービスにおいては、エリアごとの需給バランスを見極め、適正な供給に向け開発を推進するのと同時に、モビリティサービスの拡充を進めてまいります。

 また、グループ一丸となって、真に必要とされる交通インフラサービスとは何かを追及し、創業からのDNAである「挑戦」を続けてまいります。引き続き、ドライバーの皆さまに安心・安全を提供し、「快適なクルマ社会」の実現に取り組んでまいります。

■(株)長谷工コーポレーション代表取締役社長 大栗育夫氏

 昨年は、国内景気の回復基調を追い風に当社グループ全体の業績が順調に推移した年だったと思います。これまで続いてきたデフレ経済が終わりつつあり、2008年のリーマンショック以降低迷した企業収益もその前の状態に戻ろうとしています。円安、株高の継続、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた開発などの好材料が続くことから、労務不足や資材高騰、少子高齢化の進展など構造的なマイナス要因もあるものの、日本経済に力強さが戻ってきたように感じます。

 マンション市場についても、首都圏・近畿圏共に久しぶりに初月販売率が80%を上回り、販売中戸数も完成在庫を含め低水準が続きました。消費税の経過措置が切れた10月以降も、販売は金利や価格の先高観から堅調に推移しております。

 この状況のなか、中期経営計画「4N計画」の2年目においては、役職員の頑張りによりグループ業績の先行指標となる新築マンション受注材料の確保、販売・仲介実績の伸び、分譲・賃貸管理会社の管理戸数の増加、リフォームや大規模修繕工事の受注量の増大など、順調に数字を積み上げることができたと思っています。

 私が社長に就任して以来、業績向上に向けて牽引する旗印として「挑戦」、「反転攻勢」、「前進」というキーワードを新年の朝礼で掲げてきました。

 今年のキーワードは、長谷工の次なる新しいステージに向けて、全役職員がステップアップする年とするべく『躍進』を掲げたいと思います。今年一年の頑張りで、長谷工グループの将来像が見えてきます。ポスト「4N計画」に向けて、社員としても、企業としても、レベルをもうワンステップ上げていかなければならないと思っています。業務内容も、長谷工グループ役職員としての日頃の行動もステップアップする事で、持続的な発展をする企業、信頼される企業を目指したいと思っています。お客様本位、BtoCの基本は信頼から始まります。お客様の期待に応え、真の優良企業を目指し、長谷工グループの未来を明るいものにする為にも、全役職員がもう一つレベルアップする、『躍進』-ステップアップ-を心がける一年にしましょう。

■サンフロンティア不動産(株)代表取締役社長 堀口智顕氏

 本年は日本経済が明るく元気を取り戻し、活気溢れるスタートの年になる予感がいたします。

 アベノミクス効果に加え、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた経済波及効果もあり、景気高揚ムードは当面続くものと期待されます。また、不動産市場においても、東京都心部における不動産価格の上昇や、良好な資金調達環境を背景としたJ-REIT市場の活況などを背景に、昨年にも増して取引が活発化することが予想されます。

 そのような中、当社は、より社会に貢献し、当社ならではの付加価値を生み出す「不動産再生道」を極めることを掲げ、新たな「人間価値、事業価値、社会価値」を創造し、お客様の物質的、経済的なご満足だけではなく、精神的な豊かさ、そして感動をご提供させていただくべく、全社一丸となって取り組んでまいる所存です。

 そして、当社のビジョンであります「世界一お客様に愛され選んでいただける不動産会社」を目指し、お客様お一人おひとりに寄り添い、お客様の不安や不満を解消し、期待を超える結果でお客様から信任をいただける仕事を追求してまいります。

7日分の「2014年 年頭挨拶」(各社)はこちら

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2024/4/5

「月刊不動産流通2024年5月号」発売開始!

月刊不動産流通2024年5月号」の発売を開始しました。

さまざまな事情を抱える人々が、安定的な生活を送るために、不動産事業者ができることとはなんでしょうか?今回の特集「『賃貸仲介・管理業の未来』Part 7 住宅弱者を支える 」では、部屋探しのみならず、日々の暮らしの支援まで取り組む事業者を紹介します。