不動産ニュース / 開発・分譲

2015/11/16

外苑濠水の浄化施設取り入れた「大手門タワー・JXビル」が竣工/三菱地所

「大手門タワー・JXビル」外観
「大手門タワー・JXビル」外観
地下1階に設置された浄化施設。1分間にバスタブ5つ分の水を浄化できる
地下1階に設置された浄化施設。1分間にバスタブ5つ分の水を浄化できる

 三菱地所(株)とJXホールディングス(株)は16日、共同で開発を進めてきた「大手門タワー・JXビル」(東京都千代田区)を竣工した。

 同プロジェクトは、皇居東御苑出入口である大手門至近の開発計画「大手町ホトリア」街区に、敷地面積6,900平方メートル、延床面面積約10万7,500平方メートル、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造地上22階地下5階建て塔屋2階建てのオフィスビルを建設するもの。
 JXグループの本社機能と、西村あさひ法律事務所の入居が決定しており、満室での稼働となる。

 民間としては初めて、皇居外苑濠の水質改善に寄与する大型貯留槽・高速浄化施設を導入。皇居外苑濠から取水し、高速で年間約50万立方メートルの水量を浄化していく。また、お濠の水が淀んでしまうのを回避するため、水を放流するための貯留槽(約3,000立方メートル)を地下に備えた。

 オフィスの窓は2.1m×2.9mとし、皇居外苑の豊かな緑と水の景色を眺望できるようにしたほか、皇居外苑の緑とのつながりを意識し、外構の約45%を緑地とするなど、心地良い環境を創出。
 また、東京都の大規模事務所ビルの平均CO2排出原単位と比較して、約36%削減するとともに、光の量と質を自動調整するLED照明システム導入等で、省エネ性と快適性を向上させた。
 さらに災害時でも事業の継続が可能となるよう、耐震性の確保や停電対策等を施し、帰宅困難者支援に対しての食糧・飲料水の備蓄やマンホールトイレを設置。これらの取り組みにより、都市再生特別地区制度の適用を受け、容積率の緩和等が図られている。

 同日開催された内覧会において、三菱地所代表取締役専務執行役員の合場直人氏は、「大手町エリアの開発においては、地域貢献の要素を取り入れており、今回はお濠の浄化施設を導入することになった。皇居付近は外国人の訪れることが多い。その際にきれいな水を見てもらうことで、東京の環境の良さをアピールできれば」と話した。

 今後は、エリア就業者や来街者が交流し、環境ビジネスを創出する拠点「3×3Lab Future」や、健康な活動を支援する環境を提供するコンディショニングセンター「R-body prject」を整備していく予定。
 また、地下1階には、隣接する大手町パークビルディングと合わせ「ホトリアShops&Restaurants」として、2017年1月にグランドオープンする計画。

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2024年6月号
「特定空家」にしないため…
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2024/5/5

「月刊不動産流通2024年6月号」発売開始!

月刊不動産流通2024年6月号」の発売を開始しました!

編集部レポート「官民連携で進む 空き家対策Ⅳ 特措法改正でどう変わる」では、2023年12月施行の「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律」を国土交通省担当者が解説。

あわせて、二人三脚で空き家対策に取り組む各地の団体と自治体を取材しました。「滋賀県東近江市」「和歌山県橋本市」「新潟県三条市」「東京都調布市」が登場します!空き家の軒数も異なり、取り組みもさまざま。ぜひ、最新の取り組み事例をご覧ください。