朝日新聞社は5日、浜離宮朝日小ホール(東京都中央区)にて事業説明会を開催、同社の成長事業とする各部局の新たな取り組みなどを説明した。
冒頭、同社代表取締役社長の渡辺雅隆氏は「紙新聞の業界はダウントレンドであるが、さまざまな情報があふれる中、信頼、安心されるものは何かのニーズはますます高まっている。新たな事業展開を模索すると同時に報道機関の責務を果たすべく経営基盤を固めていく」と述べた。また、今後は「現在新聞事業が当社の売り上げの85%を占めるが、今後はその割合を10%減らし、それ以外の事業を25%まで持ち上げていきたい」と方針を示した。
また成長事業の一つに挙げた不動産事業については、「今までは保有資産の管理程度のものであったが、今後は事業化して発展させ、資産を活用していきたい。2020年度単体で売り上げは200億円を目指し、収益の柱にしたい」と抱負を語った。
説明会では不動産事業の軸となる開発中の東京・銀座の「東京銀座朝日ビルディング」と大阪・中之島で開発中の「中之島フェスティバルシティ」について紹介。「東京銀座朝日ビルディング」は、同社の東京の創業の地に立地。地下2階地上12階建て。建築費約100億円、総事業費140億円。1~2階は商業施設、3~12階には、日本初進出のラグジュアリーホテル「ハイアットセントリック銀座 東京」が入店する予定。
「中之島フェスティバルシティ」は、2012年に完成した「中之島フェスティバルタワー」の西側に現在建設中の「中之島フェスティバルタワー・ウエスト」と合わせたツインタワーで構成。高い耐震性、BCP対策も施し、「フェスティバルホール」「中之島・香雪美術館」の2つの文化施設を核として約50軒の商業施設や、オフィス、ホテル「コンラッド大阪」が入居する。
総工費は2棟で1,000億円規模。竣工は17年3月の予定。