シービーアールイー(株)(CBRE)は23日、2016年第4四半期の三大都市圏における大型マルチテナント型物流施設の市場動向を発表した。延床面積が首都圏・近畿圏は1万坪以上の施設、中部圏は5,000坪以上が対象。首都圏(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)107棟、近畿圏(大阪府、兵庫県、京都府)23棟、中部圏(愛知県を中心とする地域)11棟について調査した。
首都圏の新規供給は1棟9,800坪で、15年第4四半期以降続いた、毎期10万坪前後の大量供給は一段落した。竣工後1年未満の既存物件で空室が順調に消化されたことにより、空室率は6.8%(前期比2.3ポイント低下)となった。
16年通年の新規供給は過去最高の36万坪となり、新規需要も34万坪と過去最高(22万坪)を大幅に超える結果となった。
エリア別に見ると、「東京ベイエリア」の空室率は9.8%と前期から上昇。「外環道エリア」は3.5%に低下し、「国道16号エリア」も5.4%と3期連続で低下。「圏央道」エリアも16.9%と前期(23.4%)から大きく低下した。
近畿圏の年間新規供給は14万6,000坪で過去最高。新規需要も9万坪と14年の9万8,000坪に次ぐ歴代2位となった。しかし空室率は11.4%(同4.5ポイント上昇)と大幅に上昇。湾岸部の新規供給1棟が空室を残して竣工したことが影響した。
中部圏は、空室率は2.6%(前期比2.6%上昇)と上昇したが、空室を抱える物件はわずか1棟であり、需給はタイトであることがみてとれる。来期には5棟の新規供給を控えているが、すでに8割の面積でテナントが内定している。