森ビル(株)は、参加組合員およびコーディネーターとして参画してきた「銀座六丁目10地区第一種市街地再開発事業」(東京都中央区)における大規模複合施設「GINZA SIX(ギンザ シックス)」を竣工。1日に、オフィスなどその一部を報道陣に公開した。
東京メトロ「銀座」駅徒歩約2分に立地。敷地面積約9,080平方メートル。「松坂屋銀座店」跡地を含む2つの街区約1.4ha(銀座六丁目10番、11番)を一体的に整備。2011年12月の都市計画決定、14年4月着工で、今回の竣工と、再開発事業としては異例のスピードで進めてきた。
街区間にあった区道「あづま通り」を、敷地南にある「三原通り」に移設し、2街区を一体化することで、中央通りに面して間口115m・奥行100mという、一等地では破格のスケールを創出。もともと道路があった部分は、建物下を通した敷地内通路として整備した。
施設は、延床面積約14万8,700平方メートル。鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造地上13階地下6階建て。「観世能楽堂」が入る文化・交流施設(地下3階)、商業施設(地下2階~地上6階、13階の一部)、オフィス(地上7~12階、13階の一部)のほか、屋上庭園や観光バスの乗降所や観光案内所、防災備蓄倉庫などで構成する。
オフィス部分は、床面積約3万8,000平方メートル。現在、6割のテナントが決定しており、順次入居も開始する。基準階面積が約6,140平方メートルと同社が手掛けた「六本木ヒルズ」を超え、天井高も2.9mとゆとりあるつくり。1フロア借りする企業もある。賃料は坪当たり平均で約4万5,000円。
屋上には銀座エリア最大となる約4,000平方メートルの庭園を整備し、うち2,200平方メートルを緑化。今後は同施設を活用してビアガーデンやヨガなどのイベントを開催し、地域住民を呼び込みたい考え。
また、非常用発電設備や防災備蓄倉庫等の防災支援機能を整備。倉庫には約3,000人×3日間分の非常食等を確保し、帰宅困難者の受入体制を整えている。
同日開催された竣工式祝賀会で同社代表取締役社長の辻 慎吾氏は「銀座に新しい価値や磁力を加えることができなければ、森ビルの存在価値はない。その強い思いを持って、当事業を進めた。結果、松坂屋さんの単独の建て替えではなく、2つの街区を合わせた再開発事業を実現。銀座最大規模の複合施設を、東京オリンピック・パラリンピックに向け、世界の目が東京に注がれている絶好のタイミングで竣工できた」などと述べた。
なお、商業施設および文化・交流施設、観光施設などは4月20日にオープン予定。国内外のブランド241店舗が出店。中央通り沿いには、「セリーヌ」や「ディオール」など6つのラグジュアリーブランドが2~5層の大型旗艦店を出店する。