国土交通省は3日、第2回都市計画基本問題小委員会を開催した。
今回は、「都市のスポンジ化」(都市内部において、空き地・空き家等が小さな敷地単位で相当程度の分量で発生すること)の発生状況等について、委員2名から、実例を踏まえたプレゼンテーションが行なわれ、現状と課題について議論した。
首都大学東京都市環境学部准教授・饗庭 伸氏は、人口、空間、政策の3つの話題に触れ、人口減少と高齢化を課題ではなく前提とし、いかに政策資源をうまく分配するか、マネジメントをしていくことが重要だとした。山形県鶴岡市の「つるおかランド・バンク」の取り組みの他、空き家を活用してワークショップを開き、市民の集まる場所を提供する取り組みなど、スポンジ化した小さな穴を埋めていく活動や、埋めた穴をつないでネットワーク化する取り組みなどを紹介した。
また、東洋大学理工学部教授・野澤千絵氏は、スポンジ化の実態について触れ、郊外住宅地で「面」として空き家・空き地が出現してきていることや、遠郊の良好な住宅地でも、2025年の高齢化率が50%近くになることなどを紹介した。空き家・空き地に強制力を持って「手を出せる」、土地再利用のための新たな仕組みについて、「選別+戦略的な区画再編計画」によって、隣地統合化、売買・賃貸化、地域利用化することなどを私案として発表した。
第3回の会合は、3月14日に開催する予定。