(一財)日本不動産研究所は10日、「不動産取引市場調査」2016年下期の結果を発表した。JREIT、東京証券取引所、日経不動産マーケット情報などの公表事例を独自に集計した。
不動産取引市場の規模は07年上期のピーク(約3兆円)を迎え、リーマンショックのあった08年下期には約1兆円程度にまで縮小したが、13年から15年上期まで2兆から2兆6,000億円程度で推移。15年下期に1.8兆円と大幅に減少して以降、16年下期まで横ばい傾向が継続している。
取引主体については、REITの買い越しが目立った。特にリーマンショック以降は、買い越しを継続。REITへの物件集約が最近の不動産市場における「モノ不足感」を生み出す要因の一つになっている。私募REITや一般事業法人の取得事例が増加するなどプレーヤーの多様化が進んでいることから、今後も需給ひっ迫が続くと見られる。
外資系プレーヤーの動向については、07年上期に約7,000億円とピークを迎えたが、13年上期以降は売り買いともにほぼ拮抗。トランプ政権誕生意向、円安トレンドへの転換がみられ、16年下期の外資系プレーヤーによる取得金額は下げ止まっている。今後も円安トレンドが継続すれば、外資系プレーヤーの取得金額は増加する可能性が高いと分析している。