積水ハウス(株)は、ゼロエミッション(施工現場における廃棄物の削減と回収、再資源化)を強化する。「ごみゼロの日」である5月30日、同社顧客の「邸情報データベース」と緊密に連携する新システムに移行する。
これまで回収管理に用いていたメールベースの電子管理システム「ぐるっとメール」を、クラウドシステム「ぐるっとPass」に刷新。クラウド管理に移行することで、メール受信者のみしか閲覧できなかった物件や廃棄物情報を、全ての関係者で共有する。これによりメール遅延やメール未確認といった人為的ミスによる回収業務の遅延、回収依頼もれ等を防ぐ。加えて、数字情報のみで専用PDAで登録する必要のあったICコードから、回収現場、廃棄物内容情報まで含めたスマートフォン、携帯電話を利用できるQRコードを採用することで、現場での登録・選別・カウント、分別作業等の手間を軽減する。
また、設計・生産・施工・アフターサービスにおいて必要な情報を一元管理する「邸情報データベース」と連携させることで、工程の進捗から廃棄物量が予測できるようになり、工場出荷の帰り便を用いて資源を回収するなど、施工現場への無駄のないトラック配車、効率的な廃棄物の積載が可能となる。
25日会見した同社常務執行役員環境推進部長兼温暖化防止研究所長の石田健一氏は、「住宅の施工現場での廃棄物は少量だが、住宅産業としては大きな問題。施工現場数が多いため回収の手間が多く、回収時期も特定し難い難点があった。そこで、より効率的な回収を目的に、新築のデータベースとひもづけ、IoTによる見える化を図った」などと述べた。