(公社)全国宅地建物取引業協会連合会のシンクタンクである不動産総合研究所は2日、中小宅建業者による既存住宅流通量の試算結果を発表した。
消費者にとって安全な既存住宅流通市場の整備を検討する基礎とする目的で、昨年度初めて取り組んだもの。全宅連モニター約1,000社およびメールマガジン登録事業者約2,000社を対象に、2016年における既存住宅取引件数に関するアンケートを実施した。有効回答は352社。
回答社のうち、16年中に既存住宅取引を行なった事業者は237社で、その取引件数は1,047件あった(別に買取再販物件数75件)。全宅連会員を含む中小宅建業者(資本金5,000万円以下の個人・法人事業者)を、同協会の業態調査結果報告書を参考に「売買仲介業務を行なっている回答者のうち、とくに中古住宅を扱っている」業者の割合で割り出した母集団(約7万4,000社)をもとに拡大推計。16年の「中小宅建業者による既存住宅流通量」を、約35万4,000戸と推計した。
推計に当たっては、回答会社の上位10%(27事業者)を除き、実績(4,000件)を推計結果に上乗せする形で推計に影響が出ないよう配慮した。
同研究所では、今後も継続的に既存住宅流通量調査を行なっていく方針。ただ、回答数に限りがある中で地域別分布が考慮できない調査対象が比較的熱心に既存住宅取引を行なっている可能性があり、試算に影響を与えていることが考えられるなどの課題があるとして、次回以降の調査については、さらに地域分布を考慮したサンプルを確保していく方針。