不動産ニュース / IT・情報サービス

2017/11/8

大京穴吹不、ARでホームステージング

ARホームステージングサービス用の端末。
一般的なスマートフォンより若干大きめだが
ホルダーを付けることで片手持ちや縦持ちも可能

 (株)大京穴吹不動産は、自社仲介物件の案内時に、AR(拡張現実)技術を使ったホームステージングサービスを10日から導入する。

 同社は2014年から、仲介物件へのホームステージングサービスを導入。16年度は1,400件を超えるホームステージングを行なったが、セッティングに最低1週間かかるほか、1戸当たり20万~40万円のコストがかかることから、仲介物件の25%は空室のまま案内していた。こうした空室物件の仲介の早期成約に向け、より簡易にローコストにホームステージングができるサービスをIT技術を活用して行なう。

 インテリアシミュレーターの開発等を行なう(株)リビングスタイルのルームコーディネイトアプリをカスタマイズ。PC製造・販売を行なう(株)レノボ・ジャパンのファブレット端末を用い、既存の室内空間を、実際に販売されている家具や小物の3Dデータで飾りつけした状態で見せることができる。

 レノボの端末は、Googleの空間認識技術に対応し、瞬時に部屋の形状や広さを立体的に記憶。約30万点のアイテムの中から商品を配置し、保存しておくことで、部屋ごとのコーディネートをいつでも引き出すことができる。ステージングデータは、各店舗のホームステージャー資格保有者がコーディネート。汎用的な配置パターンを決めておくことで、10分ほどでデータを作成できる。また、ファブレット端末は1台約5万円、アプリケーション利用費が月額10万円(10台まで)とローコストでの運用も可能とした。

 同サービスは、原則、同社と専任媒介契約を結んだ空室物件を対象に、無料で提供。まず、首都圏の5店舗(新宿、池袋、渋谷、横浜、吉祥寺)でスタートし、操作性の検証やインテリア拡充などアプリケーションの充実、顧客の反響等をみながら18年以降全国への拡大を検討する。

 8日会見した大京穴吹不動産事業統括部担当部長の菅原 仁氏は「案内時の満足度が確実に上がるホームステージングサービスは、これからますます活用されるものと思っている。今回のサービスは、具体的に検討している部屋の光景にさまざまな付加価値情報を重ね合わせて見せることができる。今後は同じAR技術を使って、新築マンションの販売現場やリフォームサービスへの活用など、グループ全体で検討していきたい」などと抱負を語った。

ファブレット端末は、一度空間認識した部屋を記憶しており
あらかじめ作成されたステージングデータを重ね合わせて表示する
家具類は、すべて実物商品を3D化し同じ大きさで配置される。
端末を動かすことで様々な角度から配置を確認できる

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ホームステージング

売却予定の建物の円滑な売却に資するべく、部屋にインテリア等を配置するなどしてその物件に魅力を付加するサービスをいう。英語のHome staging。ホームステージングに使われるインテリアは、家具、照明器具、カーテン、小物類が中心で、主要なスペースに限って配置する場合もある。

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