不動産ニュース / 調査・統計データ

2017/12/20

東京23区企業、オフィス新規賃借予定は増加傾向

 森ビル(株)は20日、「2017年 東京23区オフィスニーズに関する調査」結果を発表した。東京23区に本社が立地する企業で資本金上位の1万社を対象に、今後の新規賃借予定等のオフィス需要に関するアンケートをDM等で行なった。調査期間は10月2~31日。有効回答社数は2,043社。

 新規賃借意向のある企業は24%(前年調査:22%)と、14年調査から増加傾向が継続。新規賃借予定企業の59%が、賃借面積が「拡大」すると答えた。新規賃借予定時期は「1年以内」29%(前回調査比0ポイント)で横ばい、「2年以内」20%(同3ポイント減)と減少、「3年以降」51%(同3ポイント増)と3年連続で増加した。企業のオフィス需要は底堅いが、新規賃借のタイミングをうかがっていることが分かった。

 新規賃借する理由は「業容・人員拡大」36%(同1ポイント増)が5年連続トップ。次いで「立地の良いビルへ移りたい」30%(同6ポイント増)が、「1フロア面積が大きなビルに移りたい」26%(同2ポイント減)と入れ替わり、2位となった。トップ3の内訳は同じで、ポジティブなオフィス移転のトレンドは継続している状況。また、今年の特徴として「企業ステイタスの向上」が14%(同5ポイント増)となった。同社営業本部マーケティング部部長の山口 嘉寿明氏は「オフィススペックを向上させることで、優秀な人材を確保したいという企業の現れではないか」と分析している。

 新規賃借する希望エリアは、1位は「日本橋」18%(同変動なし)、次いで「品川(駅周辺)」16%(同4ポイント増)が昨年8位から2位に上昇。リニア中央新幹線の工事進捗や品川新駅の方向性が具体化してくる中で、注目が高まっていることが要因とした。その他、「虎ノ門」「田町」「浜松町」「渋谷」といった大型開発が進行しているエリアの人気が高い傾向となった。

 1坪当たり賃料では、現在、「2万円未満」と答えた企業が約5割で、「3万円未満」とした企業は8割となった。過去1年間の賃料改定については、賃料改定があったと答えたのが19%。そのうち増額改定だったのが87%(同8ポイント増)で、07年の調査開始以来最大の割合となった。

 今後「ワーカー数が増加する」と答えた企業は42%で、一人当たりのワークスペースが不足している企業は30%だった。今後のワークスペースの方針については、「現状維持」59%(同5ポイント減)と減少した。一方、「拡充」を選択した割合は37%(同6ポイント増)、「効率化」を選択した割合は55%(同9ポイント増)とそれぞれ増加。「拡充」では、「会議室等、打ち合わせスペースを拡大する」、「リフレッシュルーム等、就業者の共有スペースを拡大する」、「効率化」では、「ペーパーレス化の促進等、資料保管スペースを節約する」、「ワークデスクのレイアウト変更等、レイアウト効率を高める」、「フリーアドレスや在宅勤の導入等、ワークスタイルを見直す」がポイントを伸ばした。

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