総務省は23日、16都道府県53市区等を対象に行なった「公的住宅の供給等に関する行政評価・監視」の結果に基づき、国土交通省や厚生労働省等に対して勧告を行なった。
住宅確保要配慮者が安心して暮らせる環境の充実を目的に、公的住宅への入居支援状況等を調査。公営住宅への入居者対応に関して、保証人を確保できないために入居を辞退したケースが11都道府県等で65件あった。保証人免除の特例措置を設けているのは調査したうちの約70%に上ったが、法人保証を認めているのはわずか3%にとどまった。また、入居辞退があったことは把握しているが発生件数を把握していないのが12都道府県等、入居辞退の有無を把握していないのが14都道府県等となった。
この結果を受け、国交省に対して、都道府県等における保証人確保に関する実態把握や保証人免除特例や法人保証に関する情報提供を勧告した。
家賃滞納者に対する支援については、2015年度末時点の公営住宅における1ヵ月以上の家賃滞納は約21万世帯。このうち半数以上が3ヵ月以上だという。この中には滞納者の状況が把握されていないケースがあるほか、住宅部局と福祉部局との連携が必要であるにも関わらず連携が不十分な例もあった。
これを受けて国交省と厚労省に対しては、実態把握と住宅・福祉部局の連携を示すことを勧告した。
また、12~14年の民間住宅活用型住宅セーフティネット整備推進事業と15~16年の住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業について18の居住支援協議会に聞いたところ、セーフティネット事業での住宅確保要配慮者の入居が2割にとどまったことや、あんしん事業については改修住戸が極めて少なかったことが分かった。その上で、17年10月にスタートした新住宅セーフティネット制度においては、都道府県等が住宅確保要配慮者のニーズを的確に把握できるように支援することなどを国交省に求めた。