不動産ニュース / 政策・制度

2018/2/22

「生産性向上に資するオフィスのあり方」検討

 国土交通省は21日、「働き方改革を支える今後の不動産のあり方検討会」(座長:中川雅之日本大学教授)の2回目となる会合を開いた。

 働き方改革の推進が求められる中、働き方や暮らし方の変化に対応した不動産のあるべき姿を中長期的視点にたって検討・整理するのが目的。今回は「生産性の向上に資するオフィスのあり方」をテーマに、委員の研究事例発表や、先進企業の事例の検討等を行なった。

 松田雄二委員(東京大学大学院准教授)は、自身が10年前に調査した「室空間環境とレイアウトが創造活動に与える影響」について報告。従来型のテーブルの会議室と、照明・カーペット・植栽などに工夫を凝らした会議室に分け、さらにそれぞれ5種類の座り方と立位でブレーンストーミングを行なったところ、室空間の印象評価だけでなく、家具レイアウトも含め影響を与えていることが分かり、「活気」や「形式性」「自由度」などどの要素を重要視するかで、オフィスの環境設計や家具選択を変える必要があるとした。

 安藤至大委員(日本大学准教授)は、人口減少による人手不足と技術的失業対策として働き方改革が必要であるとし、労使のマッチングや人材育成などで労働者の不安を解消していく取り組みや、多様な雇用形態、働き方をサポート、納得感のある処遇、それを実現するための社内文化の改革を前提に、企業と労働者それぞれの視点で働く場所や働き方を変えていく必要があるとした。

 オフィス設計や働き方のコンサルティングを手掛けるコクヨ(株)ワークスタイル研究所主幹研究員の齋藤敦子氏は、1997年のIT革命、2008年のリーマンショックに続き、AI、IoTがホワイトカラーの働き方を変えてくると予測。情報処理を中心とした働き方から、知識創造を中心とした働き方への変化に対応したオフィスの必要性を訴え、業界毎の壁や既成概念によるイノベーションの難しさを克服するためにも、官民が連携して改革に臨むべきとした。

 三菱地所(株)総務部部長の久保人司氏は、新社屋への移転を機に本格始動した働き方改革について報告。オフィス面積を2割削減したものの、共用スペースを3倍にしたこと、社員食堂や内階段などでコミュニケーションを活性化することで無駄な会議の削減やワークスペースの自由度を向上させたとし、ファシリティ刷新を社員の行動改革・意識改革につなげ、企業風土の改革につなげていくこと、トライ&エラーを繰り返し常に進化させていくこと、実証結果を自社のまちづくりに反映させていく方針などを語った。

 また、中川座長は「今後供給されていく新しいオフィスビルだけでなく、バブル期に大量に供給された中小ビルオーナー保有のビルでの働き方改革を、資本力の乏しい事業者でも実現できる方策の検討等も必要」と話した。

 3回目の会合は、「女性が働きやすいオフィス環境のあり方」をテーマに、3月13日に開く予定。

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