東京急行電鉄(株)は27日、2018~20年度を事業期間とした中期3ヵ年経営計画を発表。4月1日付で社長に就任する同社取締役専務執行役員の高橋和夫氏らが会見した。
不動産業関連の重点施策として、渋谷の大規模再開発の推進や沿線価値・生活価値向上等を掲げた。計画期間の投資予定額5,200億円のうち、渋谷再開発に1,200億円、沿線開発に800億円、不動産賃貸事業拡充を含めた戦略案件に600億円を充てる。
27年終了を予定している渋谷再開発では、18年秋に「渋谷ストリーム」と「渋谷代官山Rプロジェクト」、19年度に渋谷最大級のオフィス空間を有する高さ230mの複合施設「渋谷スクランブルスクエア東棟」を開業する計画。まちイベントのグローバル発信、ベンチャーエコシステムの構築、クリエイティブ産業集積により、「エンタテイメントシティSHIBUYA」としてのブランディングを推進する。
沿線価値・生活価値向上では、「渋谷・自由が丘・二子玉川を結ぶエリア」「五反田・目黒・大井町駅周辺」「新空港線・多摩川流域」「相鉄・東急直通線沿線」「多摩田園都市」を重点エリアに設定。価値向上が見込め、競争優位性が生かせる駅周辺に重点的に投資していく。
公的不動産活用や既存建物再生による地域活性化も推進する。19年秋開業の「南町田グランベリーパーク」等、地域や自治体と連携した総合開発による沿線価値向上、郊外のリモデルによる多用な世代が暮らすバランスのとれた沿線の実現などを図る。そのほか、IoTを活用したインテリジェントホームやコネクティッドホームの開発も進める。
高橋氏は「22年度に100周年を迎える中、次の50年、100年につなげる、基盤固めの重要な計画。新たな付加価値を創造する東急グループへ進化していきたい。渋谷再開発は20年に約8割が完成する予定であることから、沿線の5つの重点エリアへの投資等でその先を見据えた仕込みを行なっていく」と述べた。
中計では、18年度末時点でEBITDA1,750億円、営業利益770億円、20年時点でEBITDA2,064億円、営業利益970億円を目指す。