東急不動産ホールディングス(株)、(株)サイバーエージェント、大阪大学は18日、人型ロボットを活用したホテルにおける実証実験について合同記者発表会を開いた。
人材不足やインバウンド増を背景に、ロボットによる業務代行に注目が集まっている。しかし、ロボットによる業務代行が実現した場合、サービス業に関わる人員減少に伴う顧客満足度の低下が課題となっている。
サイバーエージェントと大阪大学大学院基礎工学研究科教授の石黒 浩氏は、2017年4月に共同研究講座を開設し、以来ロボットやチャットボットによる接客対話の自動化の研究開発を進めてきた。
このほど東急不動産HDがプロジェクトに参画。3月19日から30日まで、「東急ステイ高輪」(東京都品川区)にて卓上型対話ロボットの「CommU(コミュー)」と「Sota(ソータ)」を用いた実証実験を実施した。
ホテルの2階フロアの廊下に「ソータ」を1台、エレベーター前に「コミュー」と「ソータ」を1台ずつ配置。外部カメラで人を検知した際に、適切なタイミングで通行する人に話しかけたり挨拶することで、宿泊客がどのような印象を抱いたかを調査した。被験者に実施したアンケートでは、おおむね好意的な結果が得られたという。
石黒教授は、「宿泊客は対スタッフでは話しづらいことでも、ロボットには気楽に話せるなど、ロボットにしかできないサービスがある。人の代わりというより、人にはできないサービスをロボットにより実現していきたい」と述べた。
4月16~27日で、2回目の実証実験を実施中。今後さらに研究開発を進めていく計画。