(株)帝国データバンクは、「人手不足に対する企業の動向調査」結果を発表した。調査期間は4月16~30日、調査対象は全国2万3,118社で、有効回答企業数は9,924社(回答率42.9%)。
現在の従業員の過不足状況を尋ねたところ、正社員が不足している企業は49.2%(前年比5.5ポイント増)と、引き続き高水準で推移しており、4月では過去最高を更新した。
業種別では、「情報サービス」が69.2%(同3.6ポイント増)がトップに。以下、「運輸・倉庫」(64.1%、同6.0ポイント増)、「建設」(64.0%、同3.9ポイント増)、「飲食店」(63.6%、同9.9ポイント増)、「放送」(61.5%、同11.8ポイント減)など、6業種が6割台となった。規模別にみると、「大企業」では6割近くの企業(57.2%、同6.6ポイント増)と考えており、人手不足感は一段と強まっている。「中小企業」は47.2%(同5.2ポイント増)、うち「小規模企業」は43.8%(同5.5ポイント増)が不足している。
非正社員が「不足している」と回答した企業は32.1%(同2.5ポイント増)と、引き続き高水準で推移。「適正」と考えている企業は61.9%(同1.0ポイント減)、「過剰」は6.1%(同1.5ポイント減)だった。
業種別では、「飲食店」(77.3%、同3.2ポイント減)がトップで、「飲食料品小売」(73.1%、同13.7ポイント増)も7割超に。規模別にみると、「大企業」(36.2%)、「中小企業」(30.9%)、うち「小規模企業」(30.5%)と、すべての規模で3割を超える企業が不足と考えていた。
同社では、人口減少と景気回復を背景に人手不足が深刻化する中で「人材確保難とともに人件費の上昇などが中小企業の収益に影響を及ぼす可能性は高い」と分析しており、企業は生産性向上に向けた取り組みを強化する一方で「政府は市場を通じた労働力の最適配分を促す政策の実行が一段と求められる」としている。