不動産ニュース / 開発・分譲

2019/3/13

日本初のCLTを床材利用した高層建築竣工/三菱地所

「PARK WOOD 高森」外観

 三菱地所(株)は、「泉パークタウン」(仙台市泉区)内で開発していた賃貸マンション「PARK WOOD 高森」(総戸数39戸)を2 月28 日に竣工。13 日に竣工式を執り行なった。

 同プロジェクトは、CLT(板の層を各層で互いに直交するように積層接着した大判パネル)を床材として使用した日本初の高層建築物。設計・施工段階から防耐火技術・構造技術および施工方法を検証することで、CLT工事の合理化手法の確立を目指した。竣工後は木材特有の乾燥収縮やクリープによる変形量をモニタリングする予定。

 宮城交通宮城大学線「寺岡六丁目・泉アウトレット」バス停徒歩3分に立地。敷地面積3,550平方メートル、延床面積3,605平方メートル、木造・鉄骨造地上10階建て。

 床と壁の約220立法メートルにCLTを構造材として使用。また、国内初の適用となる国土交通大臣認定を新たに取得したCLT耐火床システム(2時間耐火仕様)を4~10階の床に採用しており、耐火被覆に加えトップコンクリートで床材を覆うことで遮音性能も確保した。1~5階部分にはCLT耐震壁を用い、耐震壁として十分な剛性と耐力を持ちながら、建物の軽量化も図った。

 また、工場生産されたCLTを利用することで、通常の鉄筋コンクリート造に比べ、天候の影響が少ない乾式工事の範囲を拡大。鉄筋コンクリート造に比べて3ヵ月程度の工期短縮を実現している。

 住戸間取りは、2LDK・3LDK、専有面積51.74~89.46平方メートル。5種類のプランを用意し、全戸のうち7戸は木造柱のほかリビング・洋室の天井や壁など内装を木質化し、木を見て感じられるプレミアム住戸とした。月額賃料は9万3,000~14万1,000円、入居開始は3月23日の予定。

リビング壁面を木質化したプレミアム住戸

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CLT

木材板を積層接着した厚型のパネル。英語のCross Laminated Timberの略で、和訳は「直交集成板」である。 CLTは、板の層を繊維方向が直交するように交互に張り合わせたもので、高い寸法安定性、優れた断熱性があるほか、CLTを柱や梁とする構造は軽量で耐震強度を確保できるとされている。

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