不動産ニュース / その他

2019/3/29

住宅団地再生、WGが方向性とりまとめ

 国土交通省は29日、第6回「住宅団地の再生のあり方に関する検討会(第2期)」(座長:東京大学大学院工学系研究科教授・浅見泰司氏)を開催した。

 2017年8月、敷地売却の仕組みを活用した団地型マンションの再生に向けた検討、高経年マンションの再生に向けた合意形成の円滑化に向けた検討等を行なうことを目的に同検討会を設置。今回は、マンションワーキンググループ(WG)と戸建てWGがまとめた今後の検討の方向性を報告した。

 マンションWGでは今回、団地型だけでなく単棟も含めたマンション全般について議論。高経年ストックの増加やマンションの大規模化、新耐震マンションの高経年化等の課題に対し講じるべき措置として、(1)地方公共団体によるマンション管理適正化への関与の強化・充実、(2)マンション再生の円滑化の多様なニーズに対応した事業対象の拡充、(3)団地型マンションの柔軟な再生を可能とする手法の充実を挙げた。
 (1)については、地域の住宅事情に精通した地方公共団体が、管理組合による適正な維持管理を促す仕組みや、管理が適正に行なわれていないマンションに行政等が関与できる仕組みを構築していく。検討委員からは、地方公共団体によるマンションの管理状況を把握するための制度や、マンションの管理状態に応じて必要な措置を求める制度等を検討すべきという意見が出された。(2)では、建物の老朽化により、生命・身体に危険を及ぼす蓋然性が高まったマンションについても、マンションおよびその敷地を売却し、買受人による除却等を促進できるようにという方向性が示された。(3)については、団地型マンション内の一部棟を存置・改修しながら、建て替え・売却を行なうことが可能な柔軟な再生の仕組みの検討や、一団地認定・地区計画の変更などの地方公共団体等の関与が必要になることを踏まえ、地方公共団体の関与のあり方についてその制度的枠組みの必要性も含めて検討していくべきとした。

 戸建てWGは、住宅団地の再生において、現状をチェックリスト等により自己診断ができる仕組みを充実させることが必要と提言。また、現時点では問題が顕在化していなくても、相続等に伴い、膨大な空き家・空き地の発生が見込まれることを認識すること、再生にあたっては「持続性」と「自立性」を高めること、課題や取り組みを住民と情報共有し機運を醸成すること等が必要とした。
 さらに、住民や行政のほか、コーディネーターやコンサルタント、不動産事業者といった多様な主体が住宅団地再生に参画することを提案。各住宅団地の特性に応じた柔軟な取り組みの必要性も強調した。

 同検討会では引き続き検討を進め、夏頃までにとりまとめを行なう予定。

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