国土交通省は13日、「長期優良住宅制度のあり方に関する検討会」(座長:松村秀一東京大学大学院工学系研究科特任教授)の6回目となる会合を開いた。
今回は、長期優良住宅が流通市場で評価されるための環境整備と、中小企業もしくは中小事業者の長期優良住宅認定取得の促進について、それぞれ課題を抽出した。
前者については、認定長期優良住宅の認知度向上、長期優良住宅を容易に区別する手法、認定長期優良住宅のハードの性能が維持されているかを流通時に確認でき評価するための手法、認定長期優良住宅が計画通り維持保全されるための制度的な担保などを課題として挙げ、既存枠組みの普及促進と新たな仕組みづくりによる長期優良住宅制度の精緻化の両面から検討した。
既存の枠組みでは、認定長期優良住宅の仲介時に維持保全の一環として行なう点検や書類の保全状況について説明しなければならないことを宅建事業者に周知することや、認定長期優良住宅が相対的に高く評価される価格査定マニュアルの普及促進などを挙げた。また精緻化については、認定長期優良住宅であることが一目で分かる「長期優良住宅マーク」の作成や、増改築を伴わない既存住宅の性能評価による認定、認定保全状況の定期的な報告や認定の有効期限設定などが挙げられた。委員からは「宅建事業者やリフォーム事業者が認定長期優良住宅への改修に向いている既存住宅をしっかり理解していくべき」「制度は複雑にすべきではなく、できるだけ既存の枠組みへアジャストしていくべき」などと意見が挙がった。
後者については、中小工務店に対するヒアリング結果から、「手続き」「認定基準」「維持管理」に分け課題を整理。手続きに戸惑っている事業者に対する申請代行事業者の利用促進、認定基準をわかりやすく解説するための普及啓発ツールの作成支援、廃業した事業者のメンテナンスを穴埋めするバックアップ体制の構築などを挙げた。
6月24日開催予定の次回会合では、これまでの議論を踏まえたとりまとめ案について議論する。