不動産ニュース / 調査・統計データ

2019/6/13

BCP策定状況、「不動産業」全業種で最低

 (株)帝国データバンクは13日、「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2019年)」結果を発表した。調査は5月20~31日、全国2万3,169社を対象に実施。有効回答数は9,555社。

 自社におけるBCP策定状況は、「策定している」が15.0%(前年比0.3ポイント増)、「現在、策定中」7.3%(同0.1ポイント減)、「策定を検討している」23.2%(同0.4ポイント増)。これらを合計しても45.5%と半数に満たず、BCPの策定が依然として進んでいない実態が浮き彫りとなった。業界別では、不動産業は7.8%と9業態中で最低に。建設は14.5%。BCPの重要性を十分に認識しているという声が聞かれた一方、重要性を理解しつつも策定に必要な時間や人材、知識などが不足しているといった意見も挙がった。

 BCPを「策定意向あり」とする企業に対し、事業継続が困難になると想定するリスクについて聞いたところ、全体では「自然災害」が72.5%(同3.4ポイント増)でトップに。以下、「設備の故障」40.9%(同0.2ポイント増)、「火災・爆発事故」34.5%(同0.9ポイント減)、「自社業務管理システムの不具合・故障」34.5%(0.3ポイント減)と続いた。不動産業は、「自然災害」71.3%、「情報漏えいやコンプライアンス違反の発生」32.2%が上位となった。

 BCPを「策定している」企業に対し、BCP策定の効果について尋ねると、「従業員のリスクに対する意識が向上した」が59.3%でトップに。以下、「業務の定型化・マニュアル化が進んだ」が35.4%、「事業の優先順位が明確になった」が32.9%、「取引先からの信頼が高まった」が24.8%と続いた。

 BCP策定による効果は、特に従業員のリスクに対する意識の向上が挙げられ、業務改善に一定の効果があることが明らかになった。しかし一方で、BCPを策定していない企業も半数近く存在しており、策定が進まない要因として、策定に必要なノウハウ、物理的に人材や時間が不足していることなどが挙げられ、1年前と変わらず課題が残ったままとなっている。

記事のキーワード 一覧

動画でチラ見!

座談会「事故物件に立ち向かう」

掲載誌はこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年5月号
「事故物件」、流通の課題は?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/4/21

「記者の目」を更新しました

有事に立ち向かうエリアマネジメント」を公開しました。

エリアの価値向上に大きく寄与する複合開発。住宅や商業施設、公共施設、教育施設や図書館、クリニックなどが一体的に整備されることで、再開発されたエリア内で日常生活が完結できるような、利便性の高い生活環境が整うケースもありますが、その規模感の大きさから有事の際に全体が連携できるのかといった懸念も…。今回は、オフィスビル・賃貸マンション・分譲マンションの3棟からなる複合開発「MEGURO MARC」を取材。防災対策の本音を調査しました。