シービーアールイー(株)(CBRE)は15日、2019年第2四半期の投資市場動向を発表した。
当期の世界における事業用不動産投資額は、2,310億米ドル(1ドル=109.95円で約25兆円、以下同)で、前年同期比で7.5%減少した。地域別に見ると、米州は1,280億ドル(約14兆円)と前年同期比0.7%増加したが、欧州・中東・アフリカは740億ドル(約8兆円)、アジア太平洋地域は290億ドル(約3兆円)と、前年同月比で減少。
オフィスへの投資がマーケットをけん引、東京を含む主なゲートウェイシティでは、オフィス投資額が対前年同月比増加率で50%を突破した。
日本における投資額(10億円以上が対象。土地取引・JREITのIPO時の取得物件は除外)は8,610億円(前年同期比60%増)で、第2四半期の実績としては05年の調査開始以来4番目に大きい水準に。投資主体別投資額においてもすべての投資主体が前年同期を上回り、増加率では、JREITを除く国内投資家と海外投資家がJREITを上回った。
併せて、「不動産投資に関するアンケート‐期待利回り」の最新調査結果も発表。アレンジャーやレンダー、ディベロッパー、不動産賃貸会社等を対象にアンケート調査を実施。調査期間は6月12日~7月12日。有効回答数は132人。
東京の期待利回りは、全アセットタイプで低下し、調査開始以来の最低値を更新した。
東京の期待利回り(NOIベース)の平均値は全アセットタイプで低下システム、過去最低を更新。地方都市のオフィス期待利回りも大阪、札幌、仙台、広島、福岡5都市で過去最低を更新している。
7月時点の東京Aクラスビルを対象としたCBRE短観(DI)は、「投融資取組スタンス」、「不動産取引量」を含む4項目で改善。一方、物流施設(首都圏、マルチテナント型)では「期待利回り」を除く全項目でDIが改善、改善幅がもっとも大きいのは「投融資取組スタンス」と「賃料」で、いずれも対前期比で12ポイント改善しており、オフィス、物流施設のいずれに対しても投資家の投資意欲が高いことが分かった。