不動産ニュース / 政策・制度

2019/12/20

管理適正化等の方向性をとりまとめ/国交省

 国土交通省は20日、「社会資本整備審議会住宅宅地分科会マンション政策小委員会」(座長:齊藤広子横浜市立大学国際教養学部教授)の第3回会合を開いた。今回は、2回にわたりマンション政策のあり方等について議論してきた内容を、事務局がとりまとめ(案)として示した。

 マンションを取り巻く現状と課題については、マンションの管理・再生の両面で課題が顕在化しつつあるとし、管理については「区分所有者の高齢化・非居住化、管理組合の担い手不足」「マンションの大規模化等」「既存住宅流通量の増加、管理情報に関する情報不足」「適切な長期修繕計画の不足、修繕積立金の不足」の4つを提示。再生に関しては、「建替事業における事業採算性の低下」「新耐震マンションの高経年化」「大規模団地型マンションの高経年化」の3つを課題として挙げた。

 また、「マンションの管理の適正化の推進」と「マンションの再生の円滑化の促進」を当面取り組むべき施策とし、方向性を提示。マンション管理の適正化では、地方公共団体は区域内のマンションの実態把握に努めること、国は管理組合による管理の適正化の指針を示すなど、行政の役割を強化してくことが必要であるとした。適正な管理を行なうマンションが評価される仕組みを通じ、管理組合による適正な管理に向けた自主的な取り組みを誘導することも重要と言及。管理組合の担い手不足に対して、専門家・専門機関の活用を促進していくことも望ましいとした。
 マンションの再生の円滑化の促進については、市街地環境に支障のない範囲で容積率の緩和等によりその建て替えの円滑化を促進すべきとし、住宅団地において全員合意によらず敷地分割を可能とする仕組みの構築も重要であると示した。

 さらに、中長期的な課題として、「団地型マンションの再生にあたっての一団地認定の変更や解除のあり方」「大規模災害により被災したマンションの再生手法のあり方」「マンションストックの継続的な実態把握とそれを踏まえたマンションの多様な管理形態や新たな再生手法のあり方」を挙げている。国は「とりまとめ(案)」に基づき、法制度の整備を含め早急に必要な措置を講じるべきとし、今後もマンションストックの状況を継続的に把握し、中長期的な課題も含め、必要な検討が行なわれることを期待するとまとめた。

 同とりまとめ(案)を社会資本整備審議会住宅宅地分科会へ報告した後、パブリックコメントを実施。とりまとめに向けた審議を、2020年2月10日に行なう。

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