不動産ニュース / イベント・セミナー

2020/2/3

グローバルな潮流から見るビル経営の未来形をテーマにセミナー

4人が登壇し、スマートビルやモビリティの革命などについて講演を行なった

 (一財)日本ビルヂング経営センターは1月31日、大手町フィナンシャルシティサウスタワー(東京都千代田区)で、第21回「新春特別ビル経営セミナー」を開催。「グローバルな潮流から考えるビル経営の未来形-スマートビル、スマートシティからモビリティの革命まで-」をテーマに4人が登壇、講演を行なった。

 三井不動産(株)執行役員海外事業一部長の小野雄吾氏が、「米国・英国におけるオフィス開発投資の最前線」と題し、同社が推進するニューヨークでの大規模複合再開発「ハドソンヤード」およびロンドンでのBBCスタジオ跡地再開発の「テレビジョンセンター」を核としたまちづくりについて紹介。スマートシティ化の取り組みなどを取り上げた。

 続いて、スマートテクノロジーを用いた次世代オフィスや都市空間づくりをグローバルに展開するPLP ARCHITECTURE取締役の相浦 みどり氏が登壇。「10年先を見据えたオフィス、都市空間のありかた」をテーマに、世界最高水準のスマートテクノロジーを持つ高く評価されるオランダ・アムステルダムの「ジ・エッジ」をはじめとする同社事例を紹介した。
 これからのワークプレイスについて同氏は、「“人を収容する場”から“人を活性化する場”へ、“仕事場”から“自分の意義を見つけられる場や自分を高めることでさらにビジネスチャンスが回ってくる場”となる。スマートテクノロジー、ウェルビーイング(ウェルネス)、サステナビリティは最低限提供すべきものとなり、その中で人々の交流から何かを生み出せる空間づくり、レストランがワークプレイスになるといった場の多様性、その土地の人に根付いて愛される場になることなどが求められていく」などと持論を展開。10年後のワークプレイスについては、「スマートテクノロジー、ウェルビーイング、サステナビリティはもはや当たり前となり、人中心のアイディアが差別化、付加価値になっていくだろう」と予測した。

 また、モビリティを専門とする(一財)計量計画研究所理事兼企画戦略部長の牧村和彦氏が「グーグルが進めるスマートシティ開発とは」をテーマに、スマートシティの新潮流や都市を変える移動革命(モビリティ)について解説。MaaSの普及により自家用車保有前提の社会が、多様なモビリティ社会にパラダイムシフトし、駐車場の必要性や車道や歩道のデザインのあり方が変化することで、住宅開発やオフィスデザイン、まちづくりの概念が大きく変わってくる可能性を示唆した。同氏は「これからの都市開発はモビリティと一体となる。日本では地域公共交通と連携したコンパクト・プラス・ネットワークで、都市デザイン、ストリートデザインを考え、都市の発展や魅力向上につなげていくことが求められていくだろう」などとまとめた。

 そのほか、(株)三井住友トラスト基礎研究所海外市場調査部長の伊東尚憲氏が「グローバルマネーと不動産マーケットの動向」と題し講演。最後に4人の講師をパネリストに、「都市・街・ビル経営の未来形」をテーマにパネルディスカッションも行なった。

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